
具体的には嘉陽愛子とか、長澤奈央などの、そこそこ激しい動きもできつつ、ピンのキャラクターとして立っている人々のことを指しているのだが、どうも彼女らの歌っている姿や曲を見たり聞いたりしているうちに、これもどこかで出会った気がしてきた。しばらくいなかった存在なのだが、これはかつて秋葉原を席巻したミニスカート時代の森高千里のポジション争いなのではないか。
いつの間にか森高も歌詞のユニークさとか、自分でいろんな楽器をマスターしたりして、脚線美を出し惜しみしながら、「非実力派宣言」から「実力派」への脱皮を図ってしまい、そのポジションは久しく空席だったが確実にかつては存在していたポジションで、それが世代交代しつつあるということなのだ。
そういう意味では最近までハードな路線を歩んでいたHigh and Mighty Colorも「RUN☆RUN☆RUN」でちょっと路線変更を図っているように見える。ほとんど今の路線はEvery Little Thingの追い落としを図っている、そんな方向である。ラップがちょっと混じっているのがスパイスになっている程度で、ボーカルの立て方はすでに手堅いポップロックになっている。
そんな中で、「これはあまり日本にいなかった」と思えるタイプの女性ボーカルが出てきた。ユンナである。厳密には韓国出身だから日本にいなかった、というのもトリッキーだが、日本語で歌っているのでその辺はまあ割り引いていただきたい。「ほうき星」「もっとふたりで」などでは、本人がピアノを弾きながらかなりアップテンポのパワーポップを歌いこなす、というのはあまりいなかった。しかもアレンジ上もピアノがかなりの存在感をもっていて、ほとんどビリージョエル張りである。
顔立ちはどっちかというと若いころの西田ひかるを思わせるが、正面からのショットがあまりないのでよくわからない。映像的にもカラフルでいろんな効果が楽しいので、そういうプロデュースの腕もあるのだが、何といっても本人の書く楽曲の力が大きいだろう。今後が楽しみだ。