中国で病気の豚や羊を処分した人が次々に死んでいるという。原因不明の病気だそうだ。かつて「アンドロメダ病原体」や「アウトブレイク」などで描かれたようなパニックも、案外こんな身近なところから始まるのかもしれない。おう吐、発熱の後昏睡状態に陥るというから、むかしよく予防接種をした日本脳炎のようなものだろうか。空気感染は一番やっかいだが、虫を媒介にして伝染する病気というのもやっかいなものだ。

いま昆虫はかつてない繁栄をしているのだそうだ。その種類や個体数において、地球の歴史上もっとも栄えているらしい。もちろん、それは食物連鎖の最上位にいる、ということではないのだけれど、それでも数だけはいるらしい。ごく身近を観察すると、だんだん数も種類も減っているように見える昆虫の生態系だけれども、ゴキブリのように強いものは強いし、案外人間様が心配するよりは昆虫はずっとたくましいのかも知れない。