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LDで持っていたのだが、未開封だったものを初めて見た。ちょっとだけCSなどで見たのだが、後で見ようと思って忘れていたので。

ジャケットが目の赤い美女の印象的なショットなので、かなり悲しい話なのかと思い込んでいた。ジャケットの売り文句を見るとどうもコメディーらしい。で、監督名を見るとジョン・ランディスとある。なるほど、そういうノリかとちょっと納得した。主演が「ニキータ」のアンヌ・パリローとアンソニー・ラパッリア。ラパッリアの方は、よく見る名前だと思っていたが、過去の作品を見るとOne good copとかEmpire Recordsぐらいしか知ってるタイトルがなかった。「ユージュアル・サスペクツ」で見たような気がしてたのだが、気のせいか。

オープニングからクレジットに見た事のあるイタリア系の名前が並ぶ、と思ったら、マフィア絡みの話なので、それはそうか。コメディーと思って油断したら冒頭からアンヌ・パリローのオールヌードシーンから始まってちょっとドキドキ。胸おっきくないけど平気で見せちゃうのが堂々としているなぁ。で、たまの狩に出たアンヌ演じるマリーが、たまたまからんできたマフィアのボスを狩っちゃう所から広がるトラブルのお話。そこにマフィアの社会におとり捜査で潜入していたジョー(ラパッリア)が遭遇し、マフィアから追われるヤバい立場になりながらも吸血鬼化したマフィアのボスを追う、という展開。

吸血鬼は吸血鬼なので、日の光に当たると焼けちゃうのは一緒。他にも首の骨を折ると死ぬらしいし、頭に銃弾を受けるとダメらしい。でもキズの治癒力はものすごいらしく、おなかに刺された体温計の穴はすぐに消えちゃう。だんだん吸血鬼マフィアの数が増えていって、こりゃどうなるんだろう、とわくわくするけどあまりダイナミックな決戦のシーンはなしで、やや盛り上がり切らなかった感じはする。吸血鬼なのにボス、ボスなのに吸血鬼をトップに持ってしまったマフィアの手下たちのおたおたぶりがランディスっぽいか。途中にさまざまな古典ホラー映画へのオマージュが入り、サム・ライミやフランク・オズなどのカメオ出演もはいり、ちょっとやりたい放題。

見終わってちょっと思ったのが「BLADE」シリーズとの違い。吸血鬼が吸血鬼を追う、という構図は同じなのだけど、BLADEは全部をシリアスなトーンでやろうとして、矛盾点がツッコミの対象となる。イノセント・ブラッドはその辺最初から「わかってますよ、いろいろツッコみたいのは」というゆるい姿勢を保っていて、かえって脱力してしまう。

一番気になるのは、「自分は生存のために最低限狩りをしながら生き延びるけど、自分が血を吸って吸血鬼化した相手は、生き延びないように始末する」という自らに課したルール。始末される側はたまらないんじゃないか、と思うけど、その辺に無理があると察したマリー本人が、最後に自らを滅ぼそうとするあたりに、その矛盾点への配慮があるのかも。ただ、トータルの伏線としてはほとんど機能しないし、マリーとジョーのラブロマンスに途中からすり替わってしまうので、あまり重みはなかった。マリーとジョーのベッドシーンがかなりぎごちなくて面白かった。