歌舞伎町での先行上映に参加した。職場で先に先々行上映に行った男がいたので、話をされる前に行ってやろうと思い。
実は「宇宙戦争」を先に見ていたら隣に座ったのが絵に描いたような甘やかされた映画オタク野郎で、連れの男に向かって「実はこの映画にはスターウォーズの常連の特撮スタッフがいて、あえてそっちを断って宇宙戦争にさんかしたんだぜ」などと偉そうにのたまっていて最悪の雰囲気だったので、「宇宙戦争」が終って席を立つ時に思い切りそいつの足を蹴飛ばしておいた。
それはともかく、エピソード3である。やはりそれなりに盛り上がっており、いつものオープニングタイトルがなりだすと、場内かなりの人が拍手していた。終った時の拍手はそれほどでもなかった。…別にできが悪いからというのではなく、そういう空気の終り方でもない、ということだろう。そうでしょ?
映像的には結構派手な戦闘シーンが続き、飽きることはなかった。スピルバーグよりはルーカスの方が映像と人間ドラマのバランスの取り方がうまい、というところもあるのだろう。いろいろな伏線が落ち着くべきところに落ち着いていくさまだけでも、見事な語り口だし、双子の出産シーンとダース・ベイダーの誕生のカットバックは、かつての「ゴッドファーザー」の最後の殺戮シーンを思い出させてくれた。ああ、そういえばベン・ケノービはダース・ベイダーと戦って火口に落とした、とか昔いってたな、とか、自分でも忘れていた伏線を思いだしたぜ。
ただ、いくつかツッコミポイントもあった。
まずはユアン・マグレガー演じるオビワン・ケノービ。一瞬ケネス・ブラナーか、と思わせる英国的な軽さは大好きなのだが、彼のうかつさがかなりの災厄の源となったことは軽視できない。アナキンの変心をただの慢心・野心としか理解できず、相談にのってやれなかったのはどうなんだろう。最後の火口での決闘シーンでも、燃えかけたアナキンにとどめを刺さなかったのは最悪の決断と言えるかも知れない。もしもベイダーがあそこで死んでいたら、帝国自体、自壊作用を起こしていたかもしれないのだ。もしもいずれ死ぬ、と踏んでいたのならなおさら、その後も帝国に対するレジスタンス活動に力を入れるべきではなかったか。あの時ベイダーが死んだことを知っていたか知らなかったか、あるいは後から知ったのか、今回の作品からは読み取れなかった。
また、サミュエル・L・ジャクソン演じるウィンドゥ師の態度にも相当問題があった。アナキンに対する処遇の冷たさや最高議長に対する殺意など、ジェダイ・マスターなのに人格者じゃない人がいすぎて、これでは共和国の瓦解もやむを得ないかも、と思えてしまった。
まあ、その他共和国の議会の単純を付和雷同ぶりや、ダース・シディアスの周到な根回し工作に長い間気づかなかったジェダイ全員のうかつさは、相当非難されて然るべきだろう。
あと、いつの間にかすり替えられてしまった問題、というものもいくつかある。アミダラ姫が共和国瓦解の瞬間にもらした、「民主主義もこれで終わりね」と言うセリフ、相当違和感があった。アメリカ的意味での民主主義万歳というのはいまどきはちょっといただけない要素だ。
一番大切な縦軸となった、アナキンの変心も、そういう意味では「宇宙戦争」と同じ、自分の家族さえハッピーなら、あとはどうでもいい、という論理に裏付けられている。ちょっと弱すぎないか、この男。女一人救いたいために共和国が滅びたのか、と思うとちょっと情けない。まあ、クレオパトラや楊貴妃みたいなものか。
また、ベイダー一人の生き死にに、帝国の運命が左右されたかと思うと、皇帝の読みも大したことなかったか、と思わせる。オビワンの決断一つで全く違った結果になっていたかも知れないのだ。
まあそんなこんないろいろとツッコミはあっても、6本見てくるとそれなりの感慨がある。あと3本作る、というのはちょっと難しいのかな。
実は「宇宙戦争」を先に見ていたら隣に座ったのが絵に描いたような甘やかされた映画オタク野郎で、連れの男に向かって「実はこの映画にはスターウォーズの常連の特撮スタッフがいて、あえてそっちを断って宇宙戦争にさんかしたんだぜ」などと偉そうにのたまっていて最悪の雰囲気だったので、「宇宙戦争」が終って席を立つ時に思い切りそいつの足を蹴飛ばしておいた。
それはともかく、エピソード3である。やはりそれなりに盛り上がっており、いつものオープニングタイトルがなりだすと、場内かなりの人が拍手していた。終った時の拍手はそれほどでもなかった。…別にできが悪いからというのではなく、そういう空気の終り方でもない、ということだろう。そうでしょ?
映像的には結構派手な戦闘シーンが続き、飽きることはなかった。スピルバーグよりはルーカスの方が映像と人間ドラマのバランスの取り方がうまい、というところもあるのだろう。いろいろな伏線が落ち着くべきところに落ち着いていくさまだけでも、見事な語り口だし、双子の出産シーンとダース・ベイダーの誕生のカットバックは、かつての「ゴッドファーザー」の最後の殺戮シーンを思い出させてくれた。ああ、そういえばベン・ケノービはダース・ベイダーと戦って火口に落とした、とか昔いってたな、とか、自分でも忘れていた伏線を思いだしたぜ。
ただ、いくつかツッコミポイントもあった。
まずはユアン・マグレガー演じるオビワン・ケノービ。一瞬ケネス・ブラナーか、と思わせる英国的な軽さは大好きなのだが、彼のうかつさがかなりの災厄の源となったことは軽視できない。アナキンの変心をただの慢心・野心としか理解できず、相談にのってやれなかったのはどうなんだろう。最後の火口での決闘シーンでも、燃えかけたアナキンにとどめを刺さなかったのは最悪の決断と言えるかも知れない。もしもベイダーがあそこで死んでいたら、帝国自体、自壊作用を起こしていたかもしれないのだ。もしもいずれ死ぬ、と踏んでいたのならなおさら、その後も帝国に対するレジスタンス活動に力を入れるべきではなかったか。あの時ベイダーが死んだことを知っていたか知らなかったか、あるいは後から知ったのか、今回の作品からは読み取れなかった。
また、サミュエル・L・ジャクソン演じるウィンドゥ師の態度にも相当問題があった。アナキンに対する処遇の冷たさや最高議長に対する殺意など、ジェダイ・マスターなのに人格者じゃない人がいすぎて、これでは共和国の瓦解もやむを得ないかも、と思えてしまった。
まあ、その他共和国の議会の単純を付和雷同ぶりや、ダース・シディアスの周到な根回し工作に長い間気づかなかったジェダイ全員のうかつさは、相当非難されて然るべきだろう。
あと、いつの間にかすり替えられてしまった問題、というものもいくつかある。アミダラ姫が共和国瓦解の瞬間にもらした、「民主主義もこれで終わりね」と言うセリフ、相当違和感があった。アメリカ的意味での民主主義万歳というのはいまどきはちょっといただけない要素だ。
一番大切な縦軸となった、アナキンの変心も、そういう意味では「宇宙戦争」と同じ、自分の家族さえハッピーなら、あとはどうでもいい、という論理に裏付けられている。ちょっと弱すぎないか、この男。女一人救いたいために共和国が滅びたのか、と思うとちょっと情けない。まあ、クレオパトラや楊貴妃みたいなものか。
また、ベイダー一人の生き死にに、帝国の運命が左右されたかと思うと、皇帝の読みも大したことなかったか、と思わせる。オビワンの決断一つで全く違った結果になっていたかも知れないのだ。
まあそんなこんないろいろとツッコミはあっても、6本見てくるとそれなりの感慨がある。あと3本作る、というのはちょっと難しいのかな。