このタイトルをカタカナ表記されるのはちょっとかなわないので原題で。

前から予告編だけ観ていて、ちょっと興味のあるテーマをあつかっていたので、またまた歌舞伎町オールナイト。すでに町はWe will rock you一色なのだけど。

ちょっとネタばれの可能性もあるんだな、これが。だからこれから見ようという人は要注意。といっても、あの予告編を見てしまえばそれなりに予測つくでしょ?そう、あのまんまですよあのまんま。

Julianne Mooreという女優さん、もともとはコメディーの方が得意というか向いているかな、と思っていたのだけど、今回はストレートな母親キャラ。たとえ自分が実生活でこういう人にこの映画のようなシチュエーションで絡まれたとしても、この女性を病院に入れたくなっちゃうだろうな、というような偏執狂的な母親です。彼女だけが自分の息子が事故で死んだといつまでも嘆いていて、回りの人々はみんなそんな息子のことは知らない、お前はずっと心を病んでいたのだ、と説得する立場。

はじめは周りがみんな信じてくれないのだけど、一人だけ戦友のような立場の人が現れて、援護してくれるようになる、という話。最後にどんでん返し(でもないけど)的な真相が明かされて、ああやっぱり。

この話の一つのテーマが母性、なのだけど、ここまで一人の母親を特権的に描くことに意味があったのか、というのは最大の疑問。なぜ彼女だけが特別なのか、最後まで納得のできる説明はなかった。個人的には「Nine months」という映画に出ていたからだ、というのが一番納得できる説明かも。

あと、彼女一人をだますためにどれだけの苦労が必要か、ということを想像するだけで気が遠くなる。今回一つ笑える映像効果があって、それが一番見所だったかな。要するにこの映画では確か誰も死なないんです。死ぬ代わりにああいう目に遭っちゃう。後ろがひらけている景色だと結構効果的だった。

編集と音楽の使い方では戦友役の男の人が自分の娘の存在を思い出すところが一番美しかったかも。