バックナンバーから、税所くんの連載を大公開! | 税所篤快

バックナンバーから、税所くんの連載を大公開!

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いま、書店には、
『ソトコト』最新号(6月号)>が並んでいますが、
ひとつ前の号に掲載した、
税所くんの連載「20歳の社会起業入門! 特別編」を
このブログで大公開!


この連載は、いつもは、
税所くんがバングラデシュのダッカや農村部で行う
映像授業「e-Educationプロジェクト」の波瀾万丈をリアルタイムで、
紹介しているのですが、
先月号と今月号は、特別編です。

このポストといっしょに、
ぜひ『ソトコト』最新号もチェックしてください!


東日本大震災を受けて、
税所くんと、
GCMPの仲間たちが起こしたアクションの、
ダッカと東京からのレポートです。

今日は、ダッカ編をお届けします!
いつもより長いポストですが、
お楽しみください。



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「 Pray for Japan キャンペーン」、
最貧国から東北へ、世界は見守っている。

ダッカ編



3月11日、東日本大震災の第一報をハムチャー村で聞いた。「地震!」「ツナミがくる!」という情報が流れるツイッターは、不安と緊張を伝えていた。家族や友人に怪我人は出なかったが、時間を追うごとに増す死傷者の数に眠れぬ夜を過ごした。
翌日、ダッカへ帰る船に乗り込むと、クルーからは「日本のツナミは大丈夫か?」と、売店のオーナーには「家族は無事か?」と話かけてくる。ダッカに到着し船から降りるときには、僕の腹は決まっていた。異国にいるけど、日本人としてやれることはやろう。ベンガル人たちも、アジアの片隅から東北を心配している。このメッセージを伝えたい。


さっそくツイッターで第一声を発信した。「明日、ダッカ大学で東北救援募金をやります」「Pray for Japanキャンペーン。最貧国から東北へ、世界は見守っている」
これがベンガル時間午後5時。すぐに東京から、GCMPのメンバーが応える。「僕たちも何かしたい!」。1時間後には、東京のGCMPスタッフ7名とダッカの僕でスカイプ会議がはじまっていた。「東京でも同時刻で募金をやろう」という結論が出た。ダッカと東京、4000キロを超える距離を僕たちの熱量は超越した


翌13日、バングラデシュ時間午後2時、日本時間午後5時。
ダッカと東京で合計80名以上の大学生が、ダッカ大学と新宿駅南口で同時募金を始めた。ダッカサイドのスタッフは、ダッカ大学生38名と日本人学生8名。


ダッカ大学生のリアクションは日本人の僕には驚きだった。
この「Pray for Japan」という垂れ幕を見ると、多くの学生が財布を取り出し、義援金を1人10タカ(約10円)募金していく。その数は140名にも上る。わずか2時間で1400タカという、バングラデシュでは大きな金額が集まった。しかし、みんな口々に「日本は私たちの大事な友人だから」「早く復興するといいね」「被災者たちにアッラーのご加護を」と声をかけてくれ、学生リーダーのマヒンは「これは僕たちベンガル人からの日本へのささやかな恩返しさ」と言ってくれた。
その後、「日本バングラ商工会」から2万タカの寄付もあり、ダッカサイドでは合計2万1400タカの義援金が集まった。


今後は被災した孤児のためにバングラデシュツアーをやろうとか、彼らが受けた心の傷を乗り越えるのにこの国のリアルな現場を感じるのは効果的じゃないかなど次のアクションへのプランニングもはじまった。


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ダッカ大学の門のそばで花を売るストリートチルドレン、5歳の少女サレナは僕らの活動を見かけると、売り物であるはずの花を全員にプレゼントしてくれた。「がんばってね」。彼女は白い横断幕を見ると、赤いバラを中心に差し入れて、日の丸の赤を入れてくれた。日々1ドルを一生懸命稼ぐスラムの子も、東北を思うのか。目頭が熱くなった。僕たちは一人じゃない。



日本の被災地の状況はあまりにも壮絶だ。避難所では多くの人が眠れぬ夜を過ごしているのだろう。被災者の方にお見舞いを申し上げるとともに、僕は声を大にして言いたい。「僕たちは、一人じゃない」。信じよう。世界が東北を見守っている。きっと大丈夫。春はもう少しだ。

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