かつて、北九州の小倉は“軍都”と言われるほど、
軍需工場や軍事施設(主に陸軍)が集まっていました。
それ故、長崎に落とされた原爆の本来の投下場所は小倉であったそう。
たまたま、米軍の爆撃日、小倉の天候が悪く、標的が定まらなかったために、
長崎への投下になったとも言われています。
それ故、小倉中心部にも数々の軍事施設の遺構が残っていましたが、
近年の再開発でだいぶ少なくなってきました。
そんな中、小倉中心部より少し外れた住宅街に、
中途半端なトンネル状の遺構があります。
この辺りは陸軍の練兵場だった、という話を昔聞いたことが有ります。
防空壕?掘削途中のトンネル?
いずれにしても奥行きは浅く、突き当りもきちんとレンガで仕上げられています。
因みにこのレンガは鉱滓煉瓦。
製鉄の際に出るスラグ(滓:かす)から作られる副産物的なレンガ。
製鉄の街、北九州らしい材料です。
現在は、フェンスで囲われ、その手前はごみステーションになっています。
入口アーチ頂部には「工兵第十二大隊」と彫られており、
この隊の名称が存在していた時代からすると、
明治末期から大正期に造られたようですが、これの用途は不明です。
この遺構を調べる際、様々なサイトを拝見して、10年以上前に、
自らも戦争遺跡や炭鉱の遺構を歩き回ったことを思い出しました。
当時は体力もあったし、時間もあったし、藪の中も厭わず入って行きましたが、
今やその気力・体力は無く…
でも、涼しくなって、夏草が枯れてくるようになったら、
体力維持、そしてダイエットの為にも、
また時間を作ってあちこち出かけてみようと思います。