湯布院の市街地から湯平温泉へ向かう途中にある、国の重要文化財にもなっている“旧 日野医院”。
日野家は江戸時代から続く医者の家系で、この建物は3代目の日野要(かなめ)氏によって、1894(明治27)年に建てられたそうです。

今でこそ、人気観光地の湯布院に近い場所になっていますが、この建物が造られた当時は相当の田舎だったはず。
そこに現れた擬洋風の2階建ての建物は異彩を放っていたことでしょう。

本館には、僅かではありますが、昔の医療器具が展示されています。


今でも、産婦人科では似たようなものを使っているのかもしれませんが、昔のものは、何処かオドロオドロシイ感じがします。


2階は広間になっていました。

そこに付随するバルコニーの天井。

バルコニーから見える雨戸の戸袋には鏝絵が施されていて、和洋折衷であることが分かります。
その右手には病棟(入院施設)が見えます。

2階に設けられたトイレ。
男女別で、男性用小便器は凝ったデザイン。
大便器の周囲は、なんと畳!冬場、寒々しくないのは良いような悪いような…


五右衛門風呂。
修復されているのだと思いますが、きれいに保存されています。

敷地内には小川が引かれ、小さな池も設えられています。



病棟の炊事場。
多数の入院患者の食事を賄うためか、広々していました。


張付け台のようなベッド(?)もオドロオドロシイ…

病室の写真は撮り忘れましたが、全て畳敷きだったので、現代のようなベッドは使用せず、普通の布団を使用していたと思われます。