話を戻します。


「弓と禅」をご覧になったのですね。


以前、ブログに「日本の弓術」(弓と禅の姉妹版)について、内容をそのまま引用し、紹介させて頂きました。


『悪い射に腹を立てないことはもうご存知のはず、良い射に喜ばないことを付け足しなさい』


ゼロ化すると、悪い射、良い射に対して、妙な情動が働かなくなります。


それが、ゼロ化の威力です。


余談ですが、現在のアーク(レガリア)は、「日本の弓道」に出てくる以下の行(くだり)にある内容を実行してると受け止めています。
(補足ですが、人によって、解釈が異なりますから、必ずしも、私と同じように感じているとは限りません。)


『仏陀が瞑想にふけっている絵にあるように、私が目をほとんど閉じていたのを、あなたは見ましたか。私は的が次第にぼやけて見えるほど目を閉じる。すると的は私の方へ近づいて来るように思われる。そうしてそれは私と一体になる。これは心を深く凝らさなければ達せられないことである。
的が私と一体になるならば、それは私が仏陀と一体になることを意味する。そして私が仏陀と一体になれば、矢は有と非有の不動の中心に、したがってまた的の中心に在ることになる。』



高校生に試してみるということですが、「やま」さんと同じ学習(経験)をしてきた人には、同じような効き目があるかも知れませんが、そう簡単ではないと思います。


刺激に対して、ネガティブな反応をしないのは、その人のメンタル面を支える条件によって変化します。



『悪い射に腹を立てないことはもうご存知のはず、良い射に喜ばないことを付け足しなさい』


の言葉は、人によって捕らえ方が違うからです。


そして、そもそも『悪い射に腹を立てない』ことが出来る方は、実際のところそう多くないでしょう。


表面的には、繕っても、意識の奥底では、悔しく想い、怒りを感じているかも知れません。


『良い射に喜ばない』も同じことです。


心の底から、「あぁ!そうか!」と言う想いが出てこない限り、容易に人は変わりません。


(つづく)