【TAWの問題点】
五感を現実と定義している点は、斬新ですが矛盾点を多く含みます。(深く知りたい方は、物理学を多少勉強されるとよいのですが、面倒な方は、TAW的現実と一般論的な現実のどちらが、得なのか、損なのかを考えるとよいでしょう。そして、考えるべきポイントは、この定義がなくなると、TAW理論が簡単に崩壊するということです。)


また、五感による錯視、錯覚に対する解釈が心理による歪だけではなく、肉体的な要件との関連性は何も説明されていません。

量子論的な論争になると、シュレディンガーの猫の如く、あー言えばこう言うような話になるのですが、推論どおり実験を行えば明確になります。しかし、TAWはそれに対応しないでしょう。


そもそも、自然科学は、確定的な未来を予測する方法を模索するのが目的の一つでした。
そういった思想から考えると、確定的な予測ができない理論は科学の対象外であり、量子論は、少なくとも観察としての裏づけはできないまでも、理論どおりの予測可能な振る舞いをするという考えに於いては、信じるべき根拠があります。


自分の五感で感じたものは、確かに現実(錯覚等は除外)だと仮定できても、だからと言って、自分が認識しない出来事が現実世界で起きていないという証明にはなりえません。

その点の証明が、TAWでは抜け落ちています。



TAWを受講すると良く使われる言葉に「人に言いたいことは、自分に言いたいこと」という被害者意識を指す表現があります。


実は、この表現は間違いです。

正しくは、「人に言いたいことは、過去自分に言われたこと」であり、ネガティブな情動を含む場合に被害者意識が根底にあることを示唆します。

詳しい説明は行いませんが、このように、誤解を招くような表現や利用方法が多々あります。


そして、TAWの最大の問題点は、修正法が未熟な点です。基本は、インナーチャイルドセラピーに頼っていますが、工夫や発展がありません。


修正法が稚拙な一面として、様々な面(セラピスト以外の一面)で、宮崎なぎさ氏と対すると、インナーチャイルドから解き放たれているとは言いがたい行動が目に付きます。(少し厳しい表現になりますが、多分に情動に振り回される部分。光背効果を多用する点。統一感がなく自ら例外を作る。単なる錯覚を量子論に基づくという虚言癖。自らを天才と言う意味不明な執着を見るとインナーチャイルドの修正が足りないと言えます。)


NLPなど他のセラピーを研究しているようで、その内、変化があるのかも知れません。
(これは、古くから座席していたアークの会員で、サクセスTAWを受講し、宮崎なぎさ氏にTAWに対しての技術協力を依頼された方から聞きました。)



TAWは、自分の意識を、修正するには、セラピストに依存する方向に誘導する展開が多いのも特徴です。(現在、セルフセラピーは国際的にも主流になってきており、セラピストを常に必要とするタイプのものは一昔前のものです。)


開発者本人の修正がまま成らない結果を見ても解るとおり、社会生活の現場に於いて、インスタントに役立つものではなく、思考を現実化させるための技術が稚拙で、私が求めていたものではありませんでした。

思考が現実化するTAW理論は、簡単に言えば仮説であり結果を伴わない机上の空論です。



「輪廻する歴史」は彼女の処女作ですが、時間軸など詳細に調べると理論の信頼性が解ります(つまり科学的根拠がない)。

そこまで、調べる人は稀でしょうが、TAWを評価する前提として、宮崎なぎさという人物を客観的に検証考察する上で役立ちます。



良くも悪くも、TAWの問題点(使える部分と使えない部分)を解決したいと言う想いが「波動干渉と共鳴」へと繋がって行きます。


(つづく)