先日「お猿さんとあーちゃんの話」を書きましたが、それ早々に今日のこと。

 

僕の本日の業務は山に入り、竹、笹、雑木の伐採作業でした。

 

今日の作業区域の脇は、あーちゃんが担当するのサルのオリが仕掛けてあります。

 

朝、現場に行ってみると、その中にお猿さんがお見えになりました。

 

大きさは中ぐらい、大人一名様で個室に入っておられます。

 

 

そのお猿さん、暴れるでもなく、訴えかけるような目で僕の方をじっと見てきます。

 

これが先輩の嫌がってた「猿がすがってくる」かな。

 

でもこれのこれから先は、あーちゃんの業務範疇。

 

僕は手を出しません。

 

「あーちゃん、来るんかなあ」と思いながら、僕は僕で自分の伐採作業に取り掛かりました。

 

しばらく伐採作業をしていると、周りから別のお猿さんの声がします。

 

ちょっと離れたところから、心配そうにオリを見ているお猿さんがいます。

 

改めて、亡くなった先輩が言っていたことが少しわかる気がしました。

 

そのうちに一台の軽トラックがやってきました。

 

お、あーちゃんのご登場か?

 

と思ったのですが、車から降りてきたのは猟友会の帽子とベストを着た猟友会の男性です。

 

あーちゃん、今日は猟友会さんに頼んだな。

 

というか、あーちゃんの係、ワナは仕掛けるのですが実際の止め刺しは猟友会さんに頼むのがほとんどなんです。

 

そんな中で自分でも止め刺しするあーちゃんはすごいんですけどね。

 

さて、駆けつけてくれた猟友会の猟師さん。

 

今日は空気銃での止め刺しをするとのこと。

 

お、コレは貴重な機会!

 

というのも、実は僕も昨年、狩猟免許を取得しました。

 

僕が取得した免許の種類は第一種銃猟免許とわな猟免許です。

 

猟友会にも入れてもらいました。

 

しかしまあ、なんせ日々の仕事が忙しくて。

 

僕はまだ狩猟免許を持ってるだけの、ペーパードライバーならぬ「ペーパー猟師」なんです。

 

それゆえ今日、実際に空気銃での止め刺し現場を見れるというのは実にありがたいこと。

 

猟師さんの実技を間近で見せていただきました。

 

見取り稽古です。

 

猟師さんの止め刺しを見せていただき、空気銃の止め刺しというのが実に難しいものだということがよくわかりました。

 

そして最後は狩猟ナイフを使っての「とどめ」です。

 

一連の止め刺しが完了した後は、写真の撮り方など、役所への提出の仕方まで、しっかり見せて教えてくれました。

 

また今回のように空気銃ではなく、装薬銃で止め刺しするときはどんな弾を使うか等も具体的に教えていただきました。

 

通常、猟師の世界では技術等は教えてもらえないそうです。

 

自分が持っている技術はいわゆる「秘伝」。

 

むやみに他の人に教えることはないものだそうです。

 


では初心者はどうするか。

 

運良く先輩がいれば、そうした方につかせてもらって、その先輩の技術を見て学ぶ。

 

それ以外は全て自分で考え研究し、実行、研鑽していく、そういう世界です。

 

だから狩猟免許を取っても猟ができずに「免許を取っただけ」という方も少なく無いそうです。

もちろん今の僕も狩猟免許を取っただけの状態です。

 

ただ、僕の場合は仕事柄、猟師さんと顔見知りになることもあり、今日のように先輩猟師さんに実技を見せてもらえることがあります。

 

その点、僕はとても恵まれています。

 

そして今日のような機会というのは、ものすごく貴重なのです。

 

今日も猟師さんの一挙手一投足を食い入るように見て、自分がやることを想定しながらの真剣な「見取り稽古」です。

最初から最後まで、とても勉強になりました。

 

快く実技を見せてくれた先輩猟師さんに、心から感謝です。

 

僕、現役引退後は振内でエゾシカの有害鳥獣駆除をやりながら暮らせたら、なんて考えたりしています。

 

自分で獲ったエゾシカをさばいてエゾシカステーキ、エゾシカ焼き肉なんて贅沢な夢ですよね。

平取町地内でも、怖い怖いヒグマがいますから、それは怖いんですが。

 

良い猟師になって、平取でヒグマの駆除に携われるぐらいになりたいものです。

 

もっとも姉は、「私はあんな寒いところ嫌。雪はね、嫌。鹿の肉も嫌。私は得体のしれない食べ物は絶対に食べんからね。振内はたまに行くだけで良い。」そうです。