「自己実現に夢中になる人で満ち溢れた世界をつくる」

そして、

「自分らしく生きる人で満ち溢れた社会をつくる」

その結果、

「自己実現した人にしか見られない風景を誰でも見られる世界をつくる」

そんなビジョンを掲げる

「未来価値創造パートナー」の渡邉敦です

 

 

 

こんにちは。

 

今日は効果的なフレーズで相手の心を掴む方法といった話を書いてみます。

 

みなさんは、相手に自分の話をよく聞いてもらうようにどんなフレーズを使いますか? 

たとえば 「ここからが大事は話です」「1回しか言いませんよ。よーく聞いてくださいね」「今日お伝えしたいことは」など、割とストレートに言うことが多いのではないでしょうか。

 

僕は「刑事コロンボ」(1960~70年代に放映されたアメリカのテレビ映画シリーズ)が好きですが、彼は犯人のしっぽをつかむため、いくつかのキラーワードを使います。たとえば、

 

「あたしの悪い癖だなぁ。つい思いついたことを話してしまうんです」

「〇〇だと思いません?だって辻褄は合うでしょ・・・」

「刑事なんてぇのはね、因果な商売でしてねぇ・・・、つまらないことが頭にこびりついて離れないんですなぁ」

「一種の病気でね。ほつれた糸をすっきりさせないとどうも寝覚めが悪いもんで」

 

これらのキラーワード使うと犯人はドキッとして事実を隠そうとする、あるいは他人が犯人だと自分を正当化するなどコロンボの術中にはまっていくわけです。

 

そういえば、コロンボがもっともよく使うキラーワード「あと、もうひとつだけ」(「Just one more thing」)です。容疑者に質問をして、一通り終わったかに見せかけ、一度その場を立ち去った後、戻ってきて彼はこう言うわけです。容疑者としては動揺が隠せない一幕です。

 

そしてこの「One more thing」ですが、アップルのスティーブ・ジョブスもプレゼンで同じように使っていました。商品発表がひと通り終わり、舞台から消えるか、と思いきやこのフレーズを口にして、びっくりする商品の説明をします。決めセリフの王道なのかもしれません

 

 

チーム力を高めるエクササイズを一つ紹介します。「インプロ」(即興)と呼ばれるゲームの一つで「ワンワード」と名づけられたものです。

 

人数は問いません。チームメンバー全員で輪になって座ります。スタートとなる人を決め その人から順番に一言ずつ言葉を述べて、全員で一つの物語をつくるのです。たとえば、1人目「昔むかし」→2人目「あるところに」→3人目「おじいさんが」……といったように。

 

いっときに話せるのは「単語+助詞」のみです。「そこで」「しかし」といったつなぎの言葉でも構いません。思考の瞬発力を生かして、できるだけ早く言葉を回していきます。いったん話が終わっても、次の方が新しく口火を切って、何周でも言葉のリレーを続けていきます。

 

みんなの想像力が一つになれば、突拍子もない壮大な物語ができあがり、大きな達成感と一体感が生まれます。逆に、思いがかみあわないと話がグルグル回っていっこうに進みません。普段のチームのあり方が透けて見えるのが面白いです。

 

やってみると分かるのですが、順説にせよ逆接にせよ、関連ある話をつなげるのはさほど難しくありません。いちばん面食らうのが、「ところで」「それはさておき」「話は変わって」といった話題を転換する言葉を出されたときです。ほとんどの人は頭が真っ白になります。

 

それを知って、わざと毎回転換の言葉を出す輩(やから)もいます。そんなときは逆回しをしたり、次に発言する人を指さしたりして、特定の人にプレッシャーがかからないようにします。

 

●時には話を受け流すことも大事

今回は、ちょっと危険なフレーズを取り上げます。先ほど紹介した「ところで」(それはさておき、話は変わって、そう言えば、そんなことより、さて)です。先に使い方を見てください。

 

OK 「……ということなんだよ」「なるほどね…… ところで、例の件はどうなったの?」

 

チーム力をアップするためのコミュニケーションのポイントは、こちらの思いをしっかり伝え、相手にちゃんと受け取ってもらわなければなりません。

 

ところが、まともにやろうとすると結構骨が折れます。時には「受け流す」ということも覚えておかないと体が持ちません。

 

それに、すべての話をまともに取り合う必要もなく、話を聞いてもらうだけでスッキリすることもあります。「どうして?」「何ができる?」と問題解決するばかりがよいとも限りません。

 

そんなときに「ところで」のような話題転換のフレーズが重宝します。相手の話をスルーして、次の話に進めるのに使います。これも人間関係を円滑にするためのコツです。

 

ですから、必ずいったん受け止めてから転換を図ってください。そうでないと、ロクに話を聞かずに腰を折られた気がして、逆効果になりかねません。

 

NG 「……らしいよ」「そう言えば、○○はどう?」

 

OK 「……らしいよ」「そうなんだ…… そう言えば、○○はどう?」

 

●違う話を持ち出してやり過ごす

話題転換のフレーズ「ところで」は依頼をやんわりと断るときにも重宝します。

 

角の立たない依頼の断り方をいろいろとありますが、それでも断りきれない依頼があります。そんなときに 直接イエス/ノーを答えず、違う話を持ち出して保留にしてしまうこともできます。

 

OK 「ということで、悪いけど○○をお願いするよ」「なるほど○○してほしいんだね。ところで△△ってどうなったんだっけ?」

 

こう言えば、多くの日本人は「受けてもらえなかった」(ノー)だと受け取ります。実際、これで諦める人が結構います。

 

ところが、一通り新しい話題が終わった後で「ところで、○○の話はやってくれるの?」と、話題転換をやり返される場合もあります。そんなときは、仕方ありません。忘れていたふりをして、イエス/ノーをはっきり答えるようにしましょう。

 

OK 「ところで、○○のお願いはどうなの?」「ごめん、ごめん、そうだったね。申し訳ないけど○○については……」

 

●さらに重要な話題を持ち出せるかが鍵

こんな話をすると、「煙に巻いてごまかしているだけじゃないか」と思われる方がいらっしゃるかもしれません。 まさにその効果を狙っており、そういう面がないとは言えません。やり過ごす、すなわち「優先順位の低いものを放置する」というのもビジネスパーソンにとって重要なスキルの一つです。

 

大切なのは、「ところで」の後にどんな話題を持ってくるかです。いま話をしていることよりも、もっと重要な話題を出せば、ごまかしている感じが薄れます。本来話すべきことは、それではないと暗に伝えるのです。

 

OK 「山田さんに困っているんだよ」「それは大変だ…… ところで、そんなことより、今期の売り上げは大丈夫なの?」

 

以前、この手を部下に使われたことがあります。

 

ある大学でのゼミ生向け講義の中で「Aについて意見をまとめるように」という問題を出しました。ところが、趣旨を誤った学生が「それはさておき、ここでは現在最も社会で問題になっているBについてまとめる」と全く違うテーマでレポートを提出しました。

 

●「ところで」が来たら身構えたほうがよい

最後に、このフレーズには思わぬ力があることを紹介しておきましょう。

 

冒頭で、「ところで」は相手をドキッとさせる効果があります。タイミングよく使うと相手のホンネを引き出すのに役立ちます」

 

やり方は簡単、まずは、本題とは違う話を出し、「なるほど」「さすが」「その通り」と大げさに相づちを打って 話に乗せていきます。夢中で話をさせて、相手のハードルを下げるわけです。

 

そうやって、ひとしきり盛り上がった後、「ありがとう」「じゃあまた」「よろしくね」でいったん話を終えます。相手が去ろうとしたタイミングで、「ところで……」「そうそう……」「あと一つだけ……」と本題を切りだすのです。

 

OK 「じゃあ、この件はこれくらいで。後はよろしく。そうそう、ところで、○○の話は順調に進んでいる?」

 

虚を突かれた相手は、思わずホンネを口走るか、その手がかりを漏らしてしまいます。テレビドラマで、容疑者を追い込む刑事や不倫をした夫を追及する妻がよく使う手です。辣腕の新聞記者が、自分の仮説の確証を得るのに使う、という話も聞いたことがあります。

 

逆に、皆さん上司や両親に呼び出され、「ところで……」と言われたら、警戒モードを最大限にしたほうがよいかもしれません 相手の術中にはまらないためにも。

 

 

それでは、今日も笑顔あふれる素敵な一日をお過ごしください!

 

頑張り屋のみなさんを応援しています!

 

「A&W コンサルティング」
 代表・中小企業診断士 
    渡邉 敦 (Atsushi WATANABE)

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