初心者のためのギター選び方 機能編 | 五線譜が読めなくても問題なし。ギターで学ぶ音楽講座

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難しく考えがちな音楽理論を極力専門用語や音符を使わず、ギターに置き換えて解説していきます。
実際の曲を使ってギターや音楽を学んでいきましょう。

最後になりますがギターを選ぶ要素の3つ目「機能」について考えてみましょう。 


ギターの機能とは何か?
いくつかの項目を挙げていきます。 

・フレット数

・VolやToneノブの数

・アームの有無(アームが付いている場合はその種類)

・ピックアップセレクターの種類

・コイルタップの有無

・弦の本数 

などが一般的なところでしょうか。 

それぞれの要素についてみていきましょう。


 【フレット数】

ギターの指板にある区切りの数です。

どのフレットを押さえるかで音の高さが変わり、エレキギターの場合は21F(フレット)、22F、24Fのギターが一般的です。

フレットの押さえる場所で音の高さが変わるということで、そのギターが出すことができる音域に影響を与えます。

例えばコピーしたい曲のギターソロで1弦24Fまで使われていた場合、自分が弾いているギターが21Fまでしかないギターだと、物理的に同じフレーズを弾けない可能性が出てきます。 

その場合は1弦21Fの音程を1音半高くするテクニック「1音半チョーキング」で乗り切れないか考える、該当のフレーズ部分だけでも自分で考え直すなどの対処が必要です。


【VolやToneノブの数】

Volノブはその名の通りギターからアンプに送るVolの調整を行うノブ。

Toneノブは絞っていくほどサウンドが丸くなり、こもったサウンドに変化するノブです。

これもギターによって

・Volノブが1つだけ搭載されたギター

・VolノブとToneノブが1つずつ搭載されたギター

・Volノブが1つにToneノブが2つだけ搭載されたギター

・VolノブとToneノブが2つずつ搭載されたギター

など様々な組み合わせがあります。


それぞれのノブが1つしかない場合は「マスターVol」や「マスターTone」と呼ばれ、そのギターに搭載されている全てのピックアップのポジションを一括コントロールする為のノブとなります。

複数のノブが付いている場合は、それぞれのノブがそれぞれのピックアップに該当していることが一般的です。


それぞれのノブが複数あるメリットと使用例を紹介すると

1、バッキングとソロで使い分ける

フロントピックアップのVolノブを少しだけ絞っておき、リアピックアップのVolノブを全開にしておきます(逆でもOK) 

バッキングの時はフロントピックアップで演奏し、ソロになったらリアピックアップに切り替えてソロを弾く、ソロが終わったらまたフロントピックアップに切り替え、バッキングに戻るというような使い方をすると、アンサンブルの中でバランスが良くなります。


2、スイッチング奏法

フロントピックアップとリアピックアップのどちらかのVolノブを全開、どちらかのVolノブを0まで絞って音が出ないようにセッティングしておきます。

ジャーンとギターを弾き、ピックアップをガチャガチャ切り替えると、音が機械的に途切れ途切れになるスイッチング奏法という演奏を行うことができます。


このように複数のノブがあることにより、瞬時に音の大きさを切り替えることができたり、特殊な奏法を行うことができるのが大きなメリットになります。


【アームの有無】(アームが付いている場合はその種類)

アームとは、ギターのブリッジ部分に搭載されているバーのことです。

このバーを押したり引っぱったりすることで、弦のテンションを変化させ、音程を変化させることができます。

アームが搭載されているか搭載されていないかで、アーム奏法を行えるか行えないかが決まってきます。


またアームにもシンクロナイズドトレモロやフロイドローズ、ビグズビー等様々な種類があり、それぞれ特性があったりします。

自分が好きなギタリストのギターにアームが付いているか、付いている場合はどんな種類のアームが搭載されているか研究してみるのも面白いでしょう。 


【ピックアップセレクターの種類】

エレキギターの弦振動を電気信号に変換させるピックアップですが、一般的には1本のギターに2〜3つ搭載されています。 

その中からどのピックアップを選択するかで出てくるサウンドは大きく変わり、それを切り替えるためのスイッチがピックアップセレクターです。 

ピックアップセレクターにも複数の種類があり、一般的な物として


レスポールなどに搭載されているトグルスイッチ


ストラトキャスターなどに搭載されている5wayピックアップセレクターや、3wayピックアップセレクター


などがあります。 


トグルスイッチは一般的にピックアップが2つ搭載されたギターに採用されており

フロントピックアップ

フロントピックアップとリアピックアップのミックス

リアピックアップ

の3種類の切り替えが行えるように設計されています。 


5wayピックアップセレクターや3wayピックアップセレクターはピックアップが3つ搭載されているギターに採用されていることが多く


5wayピックアップセレクターの場合は

フロントピックアップ

フロントピックアップとセンターのミックス(ハーフトーン)

センターピックアップ

センターピックアップとリアピックアップのミックス(ハーフトーン)

リアピックアップ

の5種類の切り替えが行えるように設定されています。


 3wayピックアップセレクターは初期のストラトキャスター等に搭載されていたもので

フロントピックアップ

センターピックアップ

リアピックアップ

の3種類の切り替えが行えるように設計されています。


代表的なものをあげてきましたが、上記の例に当てはまらないものも多々あり、例えば6点で切り替わるトグルスイッチがあったり、ピックアップが2つ搭載されているギターに5wayピックアップセレクターが採用されていたりするものもあります。


 【コイルタップの有無】

前回「初心者のためのギター選び方 サウンド編」のブログの中で、ピックアップには大きく分けてシングルコイルピックアップとハムバッカーの2種類あるとお伝えしました。 

ではこの2つのピックアップはどのように違うのか? 

簡単に言うと「シングルコイルピックアップを2つ組み合わせたものがハムバッカー」となります。


そしてコイルタップとは、ハムバッカーの2つ組み合わせたシングルコイルピックアップを片方だけを使用することによって、シングルコイルの音を出せるようにする機能のことです。

残念ながら純粋なストラトキャスターのシングルコイルと全く同じ音になることはないのですが、コイルタップが付いていることによってサウンドバリエーションは格段に広がります。


複数のハムバッカーが搭載されたギターの場合、1つのスイッチで複数のハムバッカーを一括コイルタップできるものと、それぞれのハムバッカーに対してそれぞれ独立したコイルタップのスイッチが設置されているものがあります。

またスイッチもミニスイッチが設置されているものや、VolノブやToneノブを引っ張ることでコイルタップが行われる「ブッシュ/ プルスイッチ」が搭載されたものなど様々です。


 ちなみに私は、独立コイルタップの使い勝手の良さが大変気に入っているので、普段使うハムバッカーが搭載されたギターは全部、独立コイルタップができるように改造してあります。


 【弦の本数】

ギターの場合は6弦より太い弦を足すことで、メタルなどの音楽で登場する低音を演奏することがあります。

また12弦ギターというものもあり、独特な広がりのあるサウンドが特徴です。

基本的には6弦仕様のギターを選ぶことが一般的だと思いますが、もし自分のやりたい音楽に7弦や8弦などの低音が必要であれば、検討する価値はあるでしょう。 

(6弦仕様のギターでチューニングを下げることで、低音の効いたメタルなどのバンドをやられている方も多くいらっしゃいます)


いかがでしょうか? 

ここまで「ルックス、サウンド、機能」の3つ視点から、ギターを選ぶ際のポイントを紹介してきました。 

この記事があなたがギターを選ぶ際の参考に少しでもなることを願っております。