五線譜が読めなくても問題なし。ギターで学ぶ音楽講座

五線譜が読めなくても問題なし。ギターで学ぶ音楽講座

難しく考えがちな音楽理論を極力専門用語や音符を使わず、ギターに置き換えて解説していきます。
実際の曲を使ってギターや音楽を学んでいきましょう。

Amebaでブログを始めよう!
みなさんこんにちは、ギター講師の神田です。
今日から数回に分けてDA PUMPさんのUSAのフレーズを分析してみたいと思います。
タブ譜も作成してありますので、よかったら弾いてみてください!

【コード進行】

早速、コード進行をアナライズするためにディグリーネームに変えてみましょう。

Im7-♭Ⅵ-♭Ⅶ-Im7-♭Ⅲ-Ⅳ


ディグリーネームに♭がついていたり、少し難しく感じるかもしれません。

そういった方は一度、メジャーキーとマイナーキーのダイアトニックコードについておさらいをしてみてください。


今回のコード進行で注目したいのは、4小節目に登場するⅣのコードです。

本来マイナーキーのダイアトニックコードの場合、ⅣはⅣマイナーになるはずですが、今回はⅣメジャーになっています。


なぜⅣメジャーになったのでしょうか?


音楽理論の中にモーダルインターチェンジというものがあります。

この理論を使うと一時的に転調をし、同主調のダイアトニックコードを借りて使用することができます。


同主調というのは例えば「CメジャーとCマイナー」とか「DメジャーとDマイナー」とか主音を表すアルファベットが同じで、メジャーとマイナーが違う関係のことを言います。


今回の例ではBマイナーキーの曲なので、同主調であるBメジャーキーのダイアトニックコードであるE(Ⅳメジャー)を借りてきています。


【フレーズ】
基本的にはパワーコードをブリッジミュートを交えて弾く、ロックでよくある王道のフレーズなのですが、コードがBm7の時の3拍目、4拍目に注目して下さい。

何やらスライドで動いています。
実はこれコードトーン+ペンタトニックスケールで構成されています。

そしてこのコードトーン+ペンタトニックスケールのオブリですが、これが非常に便利!
ダイアトニックコードで登場するマイナーコードであれば、どのコード上でも使用することができます!

今回はコードがBm7なので、Bマイナーペンタトニックスケールの音を使ってフレージングされています。

使用されている音を見てみましょう
赤丸に数字が入っているところが基となるBm7のコードフォームです。
そして青丸がコードフォーム周辺のペンタトニックスケールの音。
赤い矢印は今回のフレーズで使用されているスライドのポジションです。


今回は演奏されていませんが、緑色の矢印のポジションも同じアイディアで使用可能なポジションです。
ぜひ実際に使ってみてください。


ただしこのアイディアの注意点が1つあります。
それはなるべく着地点をコードトーンにすること!

今回のように

コードトーン>ペンタトニックスケール>コードトーン

の流れで使用するとハマるフレーズも

ペンタトニックスケール>コードトーン>ペンタトニックスケール

の流れにするとハマらないこともあります。

ちなみに基となるコードフォームをわかりやすくするために、ペンタトニックの色(青色)で図に書いてありますが、3小節目に登場している4弦&3弦の4フレットの音はBm7のコードトーンです。


なので3小節目のスライドを

7F>4F>7F

から

4F>7F>4F

に入れ替えても使用できます。


もし6弦ルートのBm7ではなく、5弦ルートのBm7を抑えた時は

4F>7F>4F

の方が自然かもしれません。
合わせて覚えておきましょう!


そして今回は2本の弦を同時にピッキングしていますが、これはもちろん1本の弦でスライドしてもいいですし、例えば4弦でスライドした後に3弦のスライドで戻るなど、アイデア次第でどんどんバリエーションが出てきます。


譜割りを変えたりするだけでもだいぶ印象が変わって、様々なシチュエーションで使用することができるので、いろいろ試してみましょう!


【その他ポイント】
偶数小節に登場する、2拍目8分裏からのシンコペーションにも気をつけましょう!

【演奏時のポイント】
まず気をつけたいのは、スライドをする時のリズムキープです。
左手だけのフレーズになる際はどうしてもリズムが不安定になりやすいので、気をつけましょう。


それとブリッジミュートですが、右手を置く位置や押さえる力加減でミュートの音が変わります。

最適なポジションと力加減を見つけましょう。


個人的には意識的に若干ブリッジ寄りでピッキングすると、いい感じかなと思います。