5/25 三日目

9時起床

今日は本番日

集合が昼前なので少し時間に余裕がある

昨日聴いたマリンホール(馬頭琴)の音色が忘れられず、近くの民族楽器店に行ってみることにする。

ロビーで圭介に会い、共に楽器店へ。


楽器店に入ると女性店員がマリンホールを奏でていた。

並んだ馬頭琴、さわっていいかと聞いたらOKとのこと。


入門者用のをいくつかさわらせてもらう。

そうこうしていると店に女性が入ってきた。

僕らのやり取りをきいて話しかけてくれた彼女は日本人だった。

彼女が通訳してくれ、いろいろ楽器をみていたら

今度は別のモンゴル人女性が入店。

どうやら日本人女性とここで待ち合わせしていたらしい。

そしてそのモンゴル人女性は西モンゴルのマリンホールと似た二弦楽器「イケル」の国内でも指折りの奏者だったのだ!

実は僕も店の中でマリンホールではなくイケルの音色に目をつけていたので、彼女にそのイケルを弾いてもらうようにお願いする。

乾いた、倍音の多い、草原の風のイメージが膨らむ音色が店内を満たす。

感動。。。

そのイケルを購入することに決めた。

280000トゥグルグ、およそ17000円で購入。

またアマホール(口琴、歯でくわえて鳴らす鉄の楽器、ど根性ガエルの飛び跳ねるビヨヨヨ~ン音でおなじみ)も80000トゥグルグ、およそ4800円で購入。

大満足でホテルに戻り、小一時間イケルを弾き、いよいよ会場入り。


モニタースピーカーが鳴らないトラブルもありながら、日本人・モンゴル人スタッフが素晴らしい一致団結で解決してくれ、無事本番を迎える。

「さくらさくら」「エニャコラ」を歌い、最初のMC

「ビット ナル インスピ!ビット ナル アカペリア ハンプラック!」
(私たちはINSPiです!アカペラグループです!)

のMCに客席からは温かい拍手が。。。

いける!と思いました。

コンサートは進み

終盤、5月中旬に訪れた陸前高田・南三陸・南相馬の被災地、そして学校公演での子どもたちの笑顔の写真をスクリーンでお見せしました。

震災から一年がたち依然こうした風景が残っていること、

その中、子どもたちの笑顔は明るく力強いこと

僕らが見たこと聞いたことを話しました。

そして、表敬訪問した気仙沼市より預かった市長のメッセージ映像。

モンゴルは震災時多大なる援助を我が国におくってくれました。


以下HPより抜粋

モンゴル国
2011年3月11日に発生した東北地方太平洋沖地震に対し、モンゴル政府は翌12日に臨時閣議を開き、日本に対する各種支援を閣議決定した。これに基づき、モンゴルから初となる緊急援助隊12名が我が国に派遣され宮城県で活動を行ったほか、支援物資として毛布(約2,500枚)、セーター等防寒衣(約800枚)が宮城県登米市に提供され、また、義捐金100万米ドル(モンゴルの他国への災害義捐金として過去最高額)が寄付された。さらに、モンゴル政府の日本支援に対する呼びかけに、モンゴルの国家公務員全員が1日分の給与の寄付を決定したほか、一般市民や企業からも多くの義捐金が寄せられている。また、2012年2月には毛布、防寒具(約9000点)がモンゴル政府特別機により到着し、宮城県仙台市に寄贈された。なお、モンゴル政府は2004年の新潟県中越地震及び1995年の阪神・淡路大震災においても、毛布等の支援物資による支援を実施した。
(外務省HPより http://www.mofa.go.jp/mofaj/saigai/shien.html)


気仙沼市長のメッセージによると、多くの支援物資のなかにモンゴル遊牧民の移動住居ゲルが三基あったとのこと。

ゲルはボランティアスタッフの休憩所としてひと時の暖を極寒の東北被災地に与えてくれたとのことでした。

こんなにも暖かい手をモンゴルのみなさんは差し伸べてくれたのです。

もしもこのことを知らない人があなたの周りにいたら、ぜひ伝えてほしいと願います。

コンサートで僕らは日本を代表して御礼を伝えました。

そしてこれから日本が復興していく様子を見守ってくれるようお願いしてきました。


コンサートは後半オユンナさんとの共演も大盛り上がりで

最後、僕らが袖にさがる前から熱狂的なアンコールの声!

アンコールでは、本編で大倉が感涙のあまり途中歌えなくなってしまった「ココロの根っこ」を再び歌唱。

今度はしっかり歌いきりました。


例え話をしたけど誰も分かってくれへんかった
自分では当たり前のことが案外そうやないんやな
だけどこれからも僕は誰かに語りかけてくつもりやで
言葉の向こう側にあるココロのつながりを信じてるんや

片言の言葉で僕らは大丈夫
同じ海から生まれた僕らは
同じココロの根っこを持っているから

ああ言えばこう言うあいつに 僕はもううんざりしてもうた
いっそ言葉の無い世界がやってくればいい なんてね
だけどあいつがこう言えば僕だってああ言ってしまう訳で
どうして 僕らはお互いの言葉の数ばかりを競い合うようになってしまったんやろ

片言の言葉で僕らは大丈夫
同じ空を見上げる僕らは
同じココロの根っこを持っているから

(ココロの根っこ/INSPi)


ライブ終了後会場を出ると相当な数のお客さんが僕らが出てくるのを待っていてくださいました。

サインしたり一緒に写真とったり、

国境も言葉もさまざまな壁をこえて、ひとつになれた、、、

もしもそれが僕ひとりの思い込みであったとしても、かまわないと思っている。

僕は壁をこれからも越えたい。トライし続ける。

声・歌・ハーモニーという梯子を使って、ピッケルを使って、よじ登ってみせる、転げ落ちたっていい、また一から始めればいい。

ココロの根っこが繋がっていると信じているから。



SETLIST

M1 inspiritual voices × さくらさくら
M2 エニャコラ
MC 挨拶、自己紹
M3 この木なんの木

MC 今回の趣旨をメンバー自身がモンゴル語で。
その後、通訳さんと共に、日本の情緒を伝える 春編
M4 北国の春
M5 朧月夜
MC 日本の情緒 夏編
M6 夏は来ぬ~お祭りマンボ 花火、セミ、波、太鼓。くちSE
MC 日本の情緒 秋冬編
M7 紅葉~津軽海峡冬景色
MC メンバー自身のモンゴル語で
「四季の歌うたを聞いてもらいました。
似てるところ、違うところ、色々あったでしょうか。
我々は日本人、あなた方はモンゴル人です。
違う風土で暮らしています。違う言葉を話しています。
でも、我々は同じ人間です。
そして、同じココロを持っています。」
M8 ココロの根っこ
(MC もし知ってたら一緒に歌って下さい!)
M9 上を向いて歩こう

【休憩】

M10 風になりたい
M11 戦場のメリークリスマス
MC この曲知ってる?
M12 となりのトトロ~崖の上のポニョ
MC 皆さんの近くで、生声でお届けします。
M13 月に願う(生声)
MC 震災の感謝、メッセージビデオ。
このメッセージを今日みなさんに届けられて嬉しく思います。
MC オユンナさん登場
M14 四季の草原
M15 zuudnii uchral
MC オユンナさん送り出し
M16 恋の季節
M17 move on(Call & Response)
MCメンバー自身のモンゴル語で
「これから日本とモンゴルの絆がよりいっそう深まることを願います。」
M18 この星の子守唄

En セットゲリーンウンデス(ココロの根っこ)