勝負事には、「勝った」「負けた」と結果を意識しないといけない場面と、「勝ち方」「負け方」の内容を吟味しないといけない場面があります。

そして、ほとんどの人は結果にこだわる職業ではないでしょうから、「勝ち方」の内容を見直す必要があります。

皆さんが今まで積み上げてきた「勝ち」は、誰かの足を引っ張って手に入れたものではないですか?

相手を出し抜いて、正々堂々とは言えない誇れない「勝ち」ではないですか?

くだらないことでお互いに蹴落とし合って、不甲斐ない戦いでたまたま得た「勝ち」ではないですか?

その「勝ち」は本当に価値のある勝ちですか?

もし勝ったはずのあなたが、何も学んでいないのであれば、それは価値のない無意味な勝ちです。

もし負けたあなたが、たくさんのことを学んでいたら、それは価値のある負けで、あなたが真の勝者です。

勝負事の鉄則は「勝っても負けても学ぶことがある」なのです。

私たちは勝者は1人しかいないと思い込んだり、1位がすごくてそれ以外はダメと考えたりしてしまいがちです。
実際は、勝った人も負けた人もそれぞれが学びを手にして「両者勝ち」ということも往々にしてあるわけです。

自分だけが勝ってもその価値はたかが知れていて、二流、三流の勝ち方です。
一流の勝者は、自分の周りにいる人たちを勝たせます。

勝ち急ぐな。急がば周り。
勝ちたいときこそ焦らず、慌てず、まずは自分の周りで支えてくれている人を、お世話になっている人を勝たせるのです。
そうすれば、いずれ周りがあなたを勝たせようとします。
価値のある勝ちに出会うわけです。

私たち大人に求められるのは、勝つという結果をもぎ取ることではなく、子どもたちに勝ち方を語ることができるかという1点です。

勝つことがすべてで、勝者が主役の条件だと思っているのであれば、あなたは再び視野1°の世界に逆戻りです。

大学講義8日目④限目より