体育館にあるグランドピアノを4階の音楽室に運びたいのですが、誰か手伝ってくれませんか?
多くの生徒が心の中で「え?4階まで?この重いグランドピアノを?なぜ?」と思っていたはずです。

それでも10人くらいがパッと手を挙げてくれました。
あの光景は一生忘れません。

私は、損得ばかり考えずに「手伝うよ」と即答できる人を育てたいと思っています。
思いやりは速度も大切だと伝えたい。

冷静に考えるとグランドピアノを運ぶなんて重いし、大変だし、面倒くさい頼み事です。
何の見返りもなしに「手伝うよ」と言うのは難しいかもしれません。

それでも「手伝う」と即答してくれた人は、頼まれ損にはなりません。
目に見える見返りはありませんが、目に見えない所で確実に信頼は貯まっていきます。

塵(親切)も積もれば山(信頼)となる」という諺は、親切心にあふれたあなたのためにある諺です。

学校では、あなたの親切を発揮する場面がたくさんあると思いますので、委員会や係活動、掃除やお手伝いは積極的に親切したほうがよいです。
内申点は上がりませんが、信頼度はうなぎ上りです。

内申点なんて貯めてもハナクソです。
(ごめんなさい。ハナクソに謝ります。)
大人になったらお金も貯めないといけませんが、学生時代は信頼を貯めることが仕事ですので、今すぐ親切なアクションを起こしてみてください。

学校の性質は「No Action,No School」なので、良くも悪くもスピーディにアクションを起こした人が得をする仕組みになっています。

残念ながらヤンチャな子が先生に構ってもらって、そこそこ得をしてしまうのは学校の性質のせいです。
影で努力はしているけどアクションを起こさない子どもが損をしてしまうのも学校の性質のせいです。
(そうならないように守備範囲を広げる先生方はもちろんいます)

しかし、スピーディにアクションを起こした人が得をする仕組みはどうやら学校だけではなく、世界の共通ルールになりつつあるので、「No Action,No World」を意識していく必要があります。

自分にできる範囲の親切を積み重ねて、信頼を貯めて徳を得てほしいと思います。
それがあなたの魅力を彩ることにつながるのです。

大学講義7日目①限目より