3万坪の屋敷

3万坪の屋敷に住み

なに不自由しない生活

半次郎爺さんは一代で

... 大仁田風呂敷屋をつくりあげた

長崎人で知らない人はいなかっただろう

長男の息子である俺を半次郎爺さんは可愛がってくれた

寿司屋は吉寿司に決まっていた

大トロばかりを食べさせてくれた

中華は四海樓!!海つばめの巣のスープ

中国では断崖絶壁に海つばめが巣を海藻で作るのだと

半次郎爺さんが教えてくれたのだ

フカヒレスープよりも高級品だと

いまだからはっきり言うが子供の

俺には味はわからなかった

また半次郎爺さんの海水浴は

面白いのだ…

海の料亭の前のプライベートビーチ

そして風呂に入り座敷で

お椀から始まり

タイやヒラメや伊勢エビにアワビにサザエ

フルコースを味あうのだ

ただ半次郎爺さん…

正月は百円のお年玉のみ…

出すときは出すがケチである

軍閥の偉いさんと手を組み

海外貿易に相場で活躍

一時期は長崎ーの金持ちだったらしいのだ

こんな家で育った親父の平八郎さんと俺は…

続く