体作りには年齢は関係はない！
と、僕は思っているし、そう思いたい！
そしてその根拠も自分の中にあるのです。
何年か前、僕がプールの監視員のアルバイトをしていたときの話です。
そのプールは老人ホームの建物の中にあって
ほぼおじいちゃんおばあちゃんのリハビリのための温水プールで
若い方が来ると少し場違いな雰囲気があるようなところでした。
戦争の経験もされて人生を突っ走ってきた人たちが第２の人生で元気に泳いでいました。
本当にお元気な方ばっかりで、
え！！！？(-_＼)(/_-)三( ﾟДﾟ)！！
今年で７７なんですか！？
っていう方も普通にクロールしたりしていました。
そして今回の主役の山口さんもその一人でした。
山口さんはきれいな白髪で、髪と同じくらい体も白く
いつも笑顔でいらっしゃるおじいちゃんでした！
僕はその笑顔で癒され、良くお話をさせていただいていました。
笑顔以外にも魅かれる山口さんにはありました。
遠目では肌の色が白くてわかりづらかったのですが、
山口さんの体はかなりのムキムキ加減を醸し出していました。
皮膚は重力には逆らえず、落ちてたりしたんですが、
その下の筋肉は、まだまだ皮膚を押し上げるようなハリがありました。
初めて山口さんにお会いしたときに気になった僕は話しかけました。
「何かスポーツをされてるんですか？」
山口さんは言います。
「ううん、スポーツはね、何にもしていないよ」
「そうなんですか！？でもかなりいい体をされていますもんね・・・？」
「うちの母ちゃんがね・・・」
山口さんは話し始めました
「車いすで歩けないからね。
朝起きたら母ちゃんと皇居に周りを散歩してるんだ。」
山口さんは本当に楽しそうに話してくださったのを覚えています。
「僕が倒れるわけにはいかないから、体をね、少しでも鍛えようと思って。」
山口さんの奥さんは、詳しいことはお伺いしていませんが、
体がほぼ動かず、表情もあんまり動かすことが出来なくて
話をすることもできない状態でした。
朝起きて、奥さんにご飯を食べさせて、皇居の周りを一緒に散歩して
奥さんの汗を拭いて
自分はプールに行き、泳ぎ
帰ってから筋トレをし、奥さんにまたご飯を食べさせる。
山口さんは悲しい顔なんて一切せず
むしろ世話ができてうれしいくらいの笑顔で僕に話をしてくださいました。
その気持ちがずっとあって山口さんの体に表れてるんだな・・・。
初めてお会いしたときは、山口さんはプール経験がほぼなく、水の中を歩くだけでした。
しかし、周りで泳ぐ人に感化され、
泳いでいる人をじっと見て
「すごいねえ～」とまた笑顔で言い
泳いでみるも溺れるような泳ぎ方で
毎日練習をしていました。
泳げる人に泳ぎ方を聞いて、毎日練習をして
なんと山口さんは７０歳を超えているのも関わらず
１年でクロールで１８メートル泳げるようになったのです。
「すごいですね！！泳げるようになりましたね」
「いやいや、まだまだ難しいね！」
山口さんはいつもと変わらない笑顔で答えてくれました。
本当に素敵な方です。
こんなおじいちゃんに僕もなりたい！
そう思いました。
ある日のことです。
毎日いらしているはずの山口さんが来ない日が続き
僕たちは心配していました。
それから数日後
姿を見せてくれたのはいいのですが、
いつも笑顔があふれていて、元気にあいさつをしてくれていた山口さんに
元気がなくなっていたのです。
プールに入るには入るのですが、
あんまり泳ごうとしません。
泳いでもすぐやめます。
「久しぶりですもんね！
お体の調子は大丈夫ですか！？」
山口さんはプールサイドにいる僕に話してくれました。
「母ちゃんがいなくなっちゃったからね」
山口さんは笑顔でした・・・
力の入った寂しそうな笑顔
「もう体を鍛える意味がなくなっちゃったからね・・・。」
本当に奥さんの為だけに体を鍛えて、泳げるようになって、
いつも笑顔でいたんだなあ。
せっかく泳げるようになったから泳ぐ。
最初の目的が変わってしまったけど。
いっぱい気持ちがあったんだと思います。
それから僕自身がプールの監視員をやめてしまい、
数年が経ちお会いできていなのですが、今も元気にクロールをしていることを願います。
この山口さんの事例があるので
全ての人が同じとは言いませんが、
絶対に変われる。
と、思うのです。
体を鍛えるのに年齢のせいにしている人。
もちろん年齢のせいにしたら楽ですよ。
誰も何も言えなくなりますからね。
まだ若いからわからないんだよ。
ってよく言われます。
そうかもしれない！
でも変われるよ。