大分県道663号は新万田から薦神社横を通り三保を通過し宇佐市飛永まで通じる道です。

奈良時代から鎌倉時代にかけて、国政に大事件が起こった時に朝廷から宇佐神宮に向けて
勅使(宇佐使)が派遣されていました。
中世時代、豊前から豊後へ向かうルートには2通りあり、一つは中津城を通る中津街道。
もう一つが、この県道663号線を通るルートで、勅使が通った道であったため
勅使街道と呼ばれていました。

この道路の野依地区に下記のような伝説があります。
むかし、旅の途中の母と子が夫婦の大老松の下で野宿をしたところ、
夜更けに子が泣きだし、なかなか寝付きません。
困り果てた母親は松葉をていねいにしきつめ、その上に寝かせると、
泣きやみやすらかに眠ったといいます。
この事が村人の間につたわり「夜泣きの子を寝かせるには、
布団の上に松葉を並べたら、すぐに泣きやみよく眠る。」といい伝えられました。
この松の木は野依の入り口にありましたが一本は天保時代(1830-1843)の台風で倒れ、
一本は昭和36年9月の台風で倒れました。
昭和42年には地区の人々の手で建てられた石碑と松の木で彫られた
お地蔵さんが祀られています。