中津祇園車には、格天井が与えられている車があります。
格天井とは。最も格式の高い天井様式といわれ、有名なお寺や神社、お城の天井に多く使われています。二条城二の丸御殿や日光東照宮外陣などの格天井が有名です。
代表的なのは古博多町さんの日章に鶴、諸町さんの花鳥風月などが有名ですが昭和6年白木完成、昭和7年塗り完成の新博多町さんの格天井は「鳩」が京都で製作され岩絵の具で描かれています。
昭和6年といえば満州事変勃発と日本は戦争へと暗い道に進み始めている時、あえて新博多町さんは町人の願いとして平和の象徴の鳩を題材にした先人達は偉い。
また、昭和30年代初期までは上の車は各町に保管されており、
新博多町さんは現在の寿通りの一角に倉庫があったそうで、昭和21年夏の
祇園祭典は中止になりましたが、あえて旧丸吉さんの前で組み立て、車の無事を確認し戦争から無事に帰れた歓びと、思いのこもった祇園車が旧来の美しさを保たれていた二重の歓びに涙をながした青年も多数いたとか。
私と同年輩の祇園関係者は寄れば「子供の時の新博多の車は朝車の朝に朝日に輝き美しかった。また、戻り車の夜、見返りの赤い提灯にうかびあがった鳳凰は子ども心に美しく、今でもよく覚えている。(この時代は電飾がありませんでした。)そして自町の車と見比べてハガイイかった。」と・・・
最近、新博多町の長老にお聞きしたのですが昭和30年初期までは新造の時の棟梁であった栄町在住の宮大工、円入氏が親子2代にわたり、車建て、車崩しを指揮し、傷んだところを修復していたとか。 美しかったはずです。
写真は今年7月7日車建ての後、中津神社宮司長谷川氏が今年の祗園の無事のお祈りする神事と格天井です。