・4月10日23時マラケシュ(モロッコ)到着

 成田空港でナイフを手荷物に入れ、没収されるというミスを犯した。ナイフはレースの必需品である為、モロッコ国内で買い直さなければならない。幸先の悪いスタートになった。

 モロッコのマラケシュ空港23時到着。空港から徒歩20分のホテルに向かう。路地に入ると街灯も少なく、とても怖い。Googleマップに従いホテル付近に到着するも、ホテルの表札が見当たらない。10分探したが見つからず、それらしき建物を全部ピンポン。4つ目でピンポンした家の人が隣の建物だと教えてくれた。しかし、ホテルをピンポンしても15分反応なし。少しでも費用を抑える為に激安ホテルを取ったがレース前は少しいいホテルを取っても良かったかもしれない。今更後悔しても遅いのでホテルの人がドアを開けてくれる事を祈るばかりだ。部屋に案内されるが、部屋の中は薄暗く無駄に広い為とても怖い。深夜3時就寝。

ホテルは奥の路地

上の画像:ホテルに向かう道

中央の画像:ホテルのエントランス

下の画像:部屋の写真

鶏の鳴き声が野太すぎる。そして、サハラランナーの体格が勇ましすぎる

 アラームをかけていた朝7時よりずっと早く起きた。なぜなら鶏がうるさすぎたからだ。野太くて勇ましい鳴き声だ。現地の食べ物で体調を崩さない為に持ってきた坦々麺を食べる。日本のカップ麺は世界のどこで食べても上手い。今日はマラソン大会運営が手配した正午のワルザザート行きのバスに乗る予定だ。念の為9時ころチョックアウトし、早めに集合場所のマラケシュ空港に向かう。

 マラケシュの町並みは黄土色一色で、建物は全て四角い。雨が降らない為、日本のように屋根を三角にする必要がないのだろう。また、意外にも女性が外を歩いている。インドを訪れた際は女性が外出していなかった為、先進国以外の国で女性が町中を歩く光景に新鮮さを感じた。皮膚を刺すかのような日差し。焼けるように熱い。こんな環境を本当に走れるだろうかと思ったが、ネガティブに考えても仕方がない。

 空港に着くと一瞬でバスの集合場所が判明した。異常に屈強な人達が一か所に密集していたからだ。参加者は皆興奮していて、眼光を大きく見開いていた。バスの席に空きがあったので、正午ではなく10時のバスに乗れた。ラッキーだ。

 バス移動の道中、パーキングエリアのような場所でトイレ休憩を済ませお土産屋さんも覗いてみた。色々な骨董品が置いてあった。お店の人に積極的に話しかけられた。このような場合、大抵執拗に営業されるので無視する事がベストだと知っているが、いつも押しに負けて返事をしてしまう。案の定、高値でしつこく営業された。断ると舌打ちをされる。以後、お互いの為に終始冷たく対応しようと肝に銘じる。マラケシュからワルザザートへの移動時間は6時間。長すぎる。そして、山間部の道が屈曲している為非常に酔う。土砂崩れで道路が封鎖されたらしく、さらに時間がかかるらしい。吐き気と戦っていると美しいが町が見えてきた。目的地のワルザザートに到着したようだ。

上の画像:ぼったくりのお土産屋

下の画像:土砂崩れで封鎖された道路

・4月11日ワルザザート到着

 ここはスターウオーズの撮影地になっているそうだ。酸素が無ければ火星と言われても違和感がない。

ホテルに到着。他のサハラランナーも宿泊しているようだ。ホテルは立派で快適だ。素敵なシャワーまで 付いている。

 お腹が空いたので、ちょっと出かけてディナーをした。個人的に、レストランの評価はグーグルマップが一番信頼できる気がする。評価の高いお店まで歩き、大好物のラザニアを食べた。とても美味しかった。最後の晩餐である。観光気分で楽しいのは今夜までだろう。

画像:最後の晩餐、ラザニア