休日の午前中、それも10時だか11時だかに買い物に出かけるとお昼ご飯どうしよう?から大概買い物に出かけたスーパーでお弁当を買って帰ろうということになる。外食するにしては買った生ものが痛んでもいけないし、休日のお昼にバタバタと家で炊事をし、食器を洗うというのは夫婦ともども億劫なわけだ。

次男マーシーは離乳食だし、長男ヒロトはなんでも食べるもののまだお弁当を一人前食べるほどのお腹のキャパシティーは無い。

と、言うことで夫婦が各々その日お目にかかったお弁当を買い物カートに投入する。

僕キヨシローはチキン南蛮弁当を、妻シーナは幕の内弁当を選ぶ。

男女の違いであろうか。僕はいわゆる男が好むであろう白米とメインのおかずが弁当パックの大半をしめるものようなものが好きで、妻シーナはひとつひとつは小さいけどおかずの品数が多い彩色なものが好きである。

「これにしてヒロトと一緒に食べよう。」

幕の内弁当を選ぶときにシーナは必ずこう言う。

 

家に帰り一週間分の食糧を冷蔵庫に入れ、予め作りおいて冷凍させていたマーシーの離乳食と一緒にお弁当をチンする。

僕の茶色か白しか無いお弁当に比べるとシーナのお弁当は実に色が多い。本来このように多くのおかずを食べたほうが体には良いのであろう。

ヒロトはシーナのお弁当から食べたいものだけをつまむ。ひじきやお浸し、漬物などには目もくれずにおむすびや卵焼きを食べるのだ。

この日の幕の内弁当の主役は誰がどう見てもおかずゾーンの真ん中に鎮座する三つのミートボールだ。

ヒロトはそのミートボールを指さし「これ。」と言った。ひとつ食べる間にもその目は他の二つのミートボールをとらえている。

「これ。」「これ。」立て続けにミートボールを小さな口に運ぶ。結局シーナはミートボールのほとんどをヒロトに献上し、一口あるかないかしか残らなかった。

今日も主役はほとんど取られたんだな、と僕がチキン南蛮を一切れシーナの弁当に運ぼうと思ったとき

「わたしさぁ。」

「ん?」

「子どもが産まれる前まで自分のミートボールとかをあげてる他のお母さんを見て、わたしおいしいもの子どもにあげられるかなって思ってたの。」

「うん。」

「でも実際自分も同じ立場になるとおいしいものはあげたくなっちゃうね。不思議。」

そういえばシーナは以前は幕の内弁当が好きだっただろうか?好きなのではなくてヒロトが好きなものを選べるように品数が多いお弁当を選んでいたのかもしれない。

そう思うとチキン南蛮くらいしかおかずが無いお弁当を選んだ自分が少し恥ずかしいような気がしてくる。

やはり母の方が何枚も上手である。

そんなことを考えてチキン南蛮一切れを渡すタイミングを失ってしまっていると、離乳食を食べ終えたマーシーが足らなったようでバナナでもよこせと言わんばかりにうーうーうなっている。

来年の今頃お弁当を買うときは三ついりそうである。