出産を終えたその日の夜中0:00にもうすぐなるかなという時間。



懐中電灯を持って病室に誰かが入ってくるのがわかった。



その光はなぜかどんどん1番奥のベッドに寝ている私の方に近づいてくる。




そしてカーテンの向こうから「○○さん…」と呼ばれカーテンが開くと、そこにはさっきおっぱいを絞って赤ちゃんに届けてくれた看護師さんと男の人が。




こんな時間に何?こわい…こわい…こわい…





「○○さん、赤ちゃんのことでお伝えしなきゃいけないことがあって小児科の先生と一緒にお話にきたの。ちょっといい?」




懐中電灯の薄暗い光の中で見える看護師さんの顔がとても悲しげ。


お願い…そんな表情やめて…






看護師さん「あのね…」



赤ちゃんが呼吸をお休みしちゃう状態が今も変わらないから、ちゃんとした小児科があるところで診てもらった方がよいという内容を説明される。




看護師さん「これから救急車で大きな病院に運んでもらうけどいいかい?」
私「はい…お願いします…」




どうしよう…赤ちゃんに何かあったら…こわいよ…どうしよう…どうしよう…




不安で不安で不安でしかない。




旦那チャンにすぐにLINEで連絡して旦那チャンも「こわい…」となったけど、不安を跳ね除けるようにお互いすぐに「絶対大丈夫」「うん、大丈夫」と送り合う。




涙がどんどん溢れてくるけど、私以外に帝王切開の手術を終えたママがこの部屋にはたくさんいて私は声を押し殺して泣いた。





少ししてから4年前にも付いてくれた看護師さんが来てくれて「○○さん…大丈夫かい?」と背中をさすってくれた途端、もう声を抑え切ることができず泣いてしまった。



ずっと体を撫でてくれてそのあとちょっと待ってて。と離れていった。





数分後車椅子を用意して戻ってきて「ここにいるの辛いでしょ、個室に移動しよう」と連れ出してくれた。



部屋を出てすぐに「気持ち吐き出せないの辛いよね…びっくりしたーーーとか言葉にできないの辛いよね」と言ってくれて、頷きながら泣いて泣いて泣いていた。




個室について少し落ち着きを取り戻せて旦那チャンに電話をかけた。





この短時間で旦那チャンは色々調べたみたいで、産まれてすぐの赤ちゃんは呼吸のトラブルはよくあることで後遺症とかもほぼないからきっと問題ないよと。



旦那チャンと話してだいぶ落ち着いた。




看護師さんが大きな病院に運んでもらう前に会いたいでしょ?と保育器に入った赤ちゃんを連れてきてくれた。



全然苦しそうな様子はなくてすごく落ち着いてたからちょっと安心。



しかもちょっとおっぱい飲みたそうだから飲ませてみよう!とほんのちょっぴりだけどおっぱいもあげることができた。




「ちょっと離れ離れになっちゃうけど待ってるからね。大丈夫だよ。頑張ろうね」と声をかけた。




救急隊員さんがお部屋の前に到着して、赤ちゃんは保育器のまま固定されて運ばれていった。





少しして救急車のサイレンが聞こえて段々と遠ざかる。




産後数時間で赤ちゃんと離れることになるなんて。どうか…何事もありませんように…お願い…





看護師さんには心配でちょっと眠れないかもしれないけど…眠れたらちゃんと眠ってねと言われたけど、やっぱり全然眠りにはつけず。




何をするわけでもなくただただ眠れない時間が過ぎていった。





ふと気付いて時計を見ると2時間くらい眠りについていたみたい。






どうなったんだろ…どうなってるんだろう…





長い1日が始まりそう。