私はがんで親友二人を亡くしています。

一人は、私が40代の前半の時に、もう一人は後半の時でした。二人とも女性に多いがんを患って旅立って行きました。

 

今回、小林麻央さんの闘病のブログを拝読していて、彼女たちのことを思い出しました。

一人の親友は30代の後半に会社の健康診断でがんがわかりました。彼女は結婚しており、子どもを産みたいという気持ちから、気功だけでがんを退治しようと思って治療を続けていたのですが、若いので進行が速かったこともあり、その思いも通じることはなく、その後3年ほどで天に召されました。

 

もう一人の親友は、何か胸にしこりがあるみたいなんだけど、と相談された時に、一人で悩むのではなく、すぐに病院での検査を勧めました。しかし、彼女は自称“未来を予知する特殊な能力があるマッサージ師”のところに通うようになりました。私は彼女に何度も病院での治療を勧めたため、少しうっとうしく感じていたのでしょうか、必死に治療を続けていた思いに寄り添ってくれないと誤解されていたのかもしれません。結局、彼女とは仲がこじれてしまい、そのマッサージ師から断絶させられてしまい、会えなくなってしまったのです。

 

ある日、私は思い立ってそのマッサージ師の自宅へ、民間治療ではなく、きちんと病院に行くように説得して欲しいと、お願いに行ったのです。マッサージを受けたくはなかったのですが、友人のためと思い、予約を取って3万円のマッサージ料を支払って、正門から懇願しに行きました。

 

それから半年後くらい経って、ようやく病院に行くようになったと耳にしたのですが、その後、残念ながら力尽きてしまいました。亡くなった知らせを聞いた時は、どうすることもできなかった自分の無力さを感じました。

 

(つづく)