湯川さんと後藤さんがイスラム国=ISILに殺害されました。残念でなりません。


また、今朝の報道によると、ヨルダン人パイロットは1月3日にすでに殺害されていたとのことです。


パイロットが生存しているように偽りの人質の交換交渉をするというISILの手口は卑劣きわまりありません。怒りがこみ上げてきました。


 


なぜ、このような残虐な集団が出来てしまったのかを考えなければなりません。


2003年、イラク戦争直前の2月から3月頭まで、私はサダム・フセインの息子、ウダイ・フセインのインタビューを取るためと石油利権の状況を知るためにイラクに取材に行きました。


報道によれば、同時期のイラクには後藤さんもいらっしゃったようです。そのイラク戦争がなければ、この残虐なイスラム国=ISILは生まれなかったと言えるでしょう。


 


アメリカの中東政策は失敗の連続で、イラク戦争によってイラク国内の秩序を壊してしまいました。ブッシュ政権の失敗がこのような過激で非道な組織を作ってしまったのです。


イラクで3週間取材をして判ったことがありました。当時は独裁政治だったけれども、国内における民衆の秩序は守られていたということです。


 


取材に入って、バース党の唯一の女性幹部フダ・サリ・アマシュ女史にインタビューした時、「誰もが戦争にならなければいいと思っている、日本でもそのことを報道して欲しい」ということを嘆願されました。しかし、結果として日本政府は、アメリカの中東政策に加担してしまいました。


 


イラク戦争後、親日家だったイラクの人たちも、アメリカに追随する日本に不信感を持っていったようです。そして、アメリカの政策によって、バース党は排除され、傀儡政権が成立されました。ISILは当時のバース党員も構成員になっているとのことです。


イラク人によると、イラク戦争後から今日まで、生活はさらに酷い状況になっているとのこと。監視の目が光る中、精神状況は誰もが最悪のようです。


 


今回、イラクに隣接するシリアに入った日本人が2人殺害され、ついに私たち日本人がターゲットになってしまいました。日本政府は野蛮な組織のターゲットにならないよう、発言にも十分に気をつけて、再び私たち国民が危険に晒されないよう、情報発信を丁寧に、注意深く行って欲しいと思います。