大阪地検特捜部の調書改竄など不祥事を受け、最高検は検察官の違法行為をチェックする監察指導部の新設をを発表している。各地検の特捜部は存続させ、国税局や証券取引等関監視委員会などとの連携をを強めた経済事件への対応を強化させる。一方で独自捜査部門は縮小するといった、特捜部の政界汚職など独自捜査の縮小を打ち出した。最高検は「検察内部に独自捜査優先主義がはびこる。それが無理な捜査につながった」説明している。以前に検討するとした起訴権分離の話しはどこに行ってしまったのか? 笠間治雄検事総長は「検察の暴走に繋がる、一体化している捜査と起訴の権限の分離を検討している」と言ったではないか。検察の一体化した権限は、韓国と日本国くらいだけのようだ。


 


草薙厚子の取調べから考えてみると、身内の監察制度を設けるだけで、検察改革と言えるのか疑問だ。まず、長時間の身柄拘束の取調べだ。いくら「任意の取調べですから」と検事から言われても、「出頭しなければ逮捕する」、黙っていると「言わなければ、帰れませんよ。時間は幾らでもある」などと脅されれば、人質になった気分になり、検事からの罠にはまってしまうだろう。


さらに、日本の場合、取調の弁護士の立ち会いは出来ない。それは、その密室で、「悪」である参考人や被疑者が「正義」の検事から過酷な取調を行うという最初から取調べる側と取調べられる側の差別意識が生まれる事になる。検事の革張りの椅子と被疑者のパイプ椅子からもそれが伺える。その差別を取調べれる側に植え付け、検察は脅して、嘘をついて、暴言を吐いて、被疑者や参考人を上手に起訴へと持ち込む事ができる。また、起訴されてからも、検察に都合の悪い証拠は開示をしない。


 


草薙の取調べの時は、ブログのコピーのみしか捜査資料として持っていなかったことには驚いた。出版や編集の仕組みも著者と出版社の関係も全く知らない。捜査をする前に勉強もしていない。蜂須賀三紀雄検事にそのことを問うと、「急に捜査に加えられた」とかという言い訳をしていたが、筋書き優先の捜査ということがここでも分る。


 



今日、的を得た社説が愛媛新聞に載っていたので紹介する。この記事は、草薙厚子を取調べたそして、元秘書の池田氏を取調べた蜂須賀三紀雄検事のことを書いている。


「問われているのは筋書き優先の捜査や供述調書偏重の取り調べを生む弊習だ。客観的な証拠と証言の積み重ねの先に立件があるという基本に徹する仕組みが求められる。裁判所も特捜に不信感を示し始めている。先ごろ、民主党の小沢一郎元代表の資金管理団体の土地購入をめぐる事件の公判で、東京地裁が元秘書らの供述調書の相当数を採用しない決定を出した。 


決定は検察側に硬軟両面の誘導があったと指弾した。関与を認めた元秘書の供述を維持させるために利益誘導まがいの話を持ち出し、目の前でメモを破り捨てて威迫するなど、時代錯誤も甚だしい。・・・・・・」


 


まさに、裁判所ももはや検察の取調べに批判的だ。検察改革が成功するかどうかは、検事一人一人の人間的な資質なのかもしれないと思う。