今日は一日、テレビの取材をいくつか受け、明日(20日)の朝もいくつかの番組でVTR出演をします。この事件について、どの局も真相を推測し、真実を知りたがっています。そんな中、加害少年はアメリカのロック・アーティスト「マリリン・マンソン」を見て、聴いていたという記事が掲載されました。確かにビジュアルも、プロモーション・ビデオもとてもオドロオドロしい、ホラー映像がほとんどです。

とはいえ、私の立場としては、「だからマリリン・マンソンのような音楽が原因で事件が起こった。それが悪い」という意見にすぐに繋がるわけではありません。問題はあくまでも受け取り側の「取捨選択の力」と「学習、そして模倣」の問題だと思っています。よくこの少年犯罪論争になると、「なぜゲームのせいになるんだ!俺は徹夜でホラー映画を見ようが、殺人ゲームをやっていても人は殺さない!」などという声が挙ります。そんなことを私は言ってはいません。「精神医学上、様々な問題があるため、中には誘発され易い少年もいる」ということを認めることが先なのです。そういう人を周囲が気付いて、専門家に見せるなど、素早いケアが必要だということが私の伝えたいことです。引き続き、私は真実を追いつづけます。 草薙厚子