本日、和解が成立!




草薙厚子VS日本放送協会(NHK)訴訟の和解が本日成立しました。


裁判の争点は、2007年9月22日、NHKが放送した、私に関する事件報道で、①奈良家裁が医師に渡した供述調書の写しから私の指紋が出ている、②奈良地検の取調べで、私が取材源を供述した、と報道した内容が虚偽だというものです。


裁判は、昨年9月14日に集中的な証人尋問が行われ(NHK記者4人の証人尋問と、私の原告本人質問)、同年11月に結審し、その後、裁判所の薦めで、和解協議が行われていました。

そして、本日の和解成立となりました。


和解内容の主な概略は以下の3項目です。


1 原告及び被告は以下の事実を確認する。

(1) 被告は、平成19年9月22日、ニュースで、検事の事情聴取で原告が取材源について供述しているという内容の報道をしたこと。

(2) 被告は、(1)を報じる前に、原告に取材しなかったこと。

(3) 平成19年11月2日、奈良地検の次席検事が、記者らに対して、検事の事情聴取で原告が取材源について供述したことはなかったと説明したこと。


2 被告は、原告に対し、謝罪の意を表する。


3 被告は、原告に対し、本件の解決金として金100万円を支払う義務があることを認める。


この和解では指紋の問題(①)は取り上げていません。それは、この点の誤報は、讀賣新聞に始まる全社の誤報なので、NHKとの和解としては、取材源に関する誤報)(②)だけでよいと判断したからです。


私がこの裁判でいちばんこだわったことは、NHKが②についてはっきり誤報を認め、謝罪することでした。

NHKは、この誤報について、誤報直後も、その後も、一切、誤報であることを認めてきませんでした。証人尋問でも、当時の報道部長は、「誤報ではない」「草薙さんに直接取材する必要はなかった」と証言していました。重要な事実を直接本人に取材できるのにしなくてよい、と判断した報道部長は、報道責任者として失格です。

NHKが誤報であることを認めて謝罪するということは、この報道部長の判断対応の誤りをはっきりさせたかったからです。


裁判官とお話をして、次の文言にはこのような意味になるという説明を受けました。今回の和解の文言には、「誤報」という文字はありませんが、1の事実を認めた上で、2で謝罪し、3で儀礼的な解決金を明らかに上回る、賠償責任的な意味合いがはっきりしている100万円になっているということを総合的に見れば、NHKが誤報を認め、謝罪し、賠償金を払ったという意味合いの内容であることは明らかです。


これは、私が裁判を起こした目的に適っていると判断できましたので、和解に応じることにしました。