足利事件は、十七年もの月日が経って、ようやく裁判所が謝罪した。しかし、当時の判事ではない。当時の取り調べをした森川大司元検事も菅谷さんが謝罪を求めたにも関わらず、結局謝罪をしなかった。

間違っても謝罪しない。しかも十七年の年月を奪ったことに、当時の検察や警察、そして判事は人間として謝罪があってもしかるべきだ。




私は、NHKが虚偽報道を流したことに裁判で謝罪を求めた。NHKの会社自体は、謝罪した。しかし、当の報道部長からは、いまだに謝罪はない。裁判前からずっと、何度も弁護士を通して抗議してきたのだが、誤報ということを認めない。天下のNHKが虚偽報道をしたということを認めたら、受信料がまた払われなくなるとでも思ったのだろうか?




私の裁判の中で、四人の記者に対しての尋問があったが、驚いたことに、その記者全員にそれぞれ弁護士がついていたのだ。その費用は、受信料で賄われているはずだ。NHKがすぐさま、非を認め、国民に誤報を流したことを謝罪することによって、この受信料からの弁護士料は払わなくても良かったはずだ。




昨日、「NHKの平成22年度予算が25日の衆議院総務委員会で審議され、全会一致で承認されました」とHPに掲載されていた。そして、福地会長は次のように述べたとある。「放送の自主自律を堅持し、正確で公平・公正な放送に努め、多様化する視聴者の期待に応える情報番組や地域放送などの充実に力を注いでいく」

本当にそれが可能なのかどうかだ。皆に伝わっていない事実として、一番重要なことを述べておきたい。




あのNHKの誤報ニュースがなかったら、正しい方向に展開していったはずなのだ。




このNHKの虚偽のリーク放送の後、検察側が被告の事情聴取において、どのような取調べをしたのか疑問だが、あの虚偽報道直後に、鑑定医の話す内容に影響を与えたということは間違ない事実だ。つまり結果的にNHKは検察の捜査の一環を担ったといえる。