本日5月22日、舞台「時を紡ぐもの」初日です。

5日前、父が脳梗塞で倒れました。
その日の朝、1週間ほど前から具合の悪かった父を病院に送り、私は稽古に向かったのですが、稽古場目前で病院から電話がありすぐに家族に話があるということで病院へトンボ帰りしたところ、脳梗塞の診断を伝えられました。
そう言えば父は最近目眩がすると言っていたのですが、滑舌はもともと悪いので呂律の変化に誰も気づかず(笑)、まさか脳梗塞だとは思わず、しかも初期治療は不可能で即入院、麻痺の有無についても危惧され、今後のリハビリ病院への転院の話など、あまりの展開に事態を飲み込む間もない急転直下の出来事でした。

ドクターからの説明を受けたあと、入院手続きのためたくさんの資料にサインする私を横に、父は人目をはばからず、声をあげて泣きました。
父が泣いたのを見たのは初めてでした。
父が泣いた理由は、「ママを頼む」でした。
「とにかくママが心配だから、ママを頼む」と、呂律の回らない言葉で、泣きながら何度も何度も私に言いました。

そう、実は我が家には初期認知症の母がいるのです。
最近は父がつきっきりだったので、父不在をどう乗り切るか。父の検査に付き添ったり入院手続きをする間、ケアマネージャーさんに連絡したり親戚に助けをお願いしたり、私は稽古をお休みさせていただき、病院の廊下で慌ただしく過ぎた激動の1日。


問題はそのあと。

一日中病院でバタバタしていた間、次第に声に変化があったのは、忙しさのあまり気に止める暇もありませんでした。

深夜、病院から自宅に帰った途端。

まるでエンストするように、プスプスと。

声が出なくなりました。

声が出ない、ではなく、一切の音が出なくなりました。
声を出そうとしても、息しか出ない。


声がなければ、芝居ができない。
本番5日前、私は声を失いました。

翌日、小さなウィスパーで音が出ました。
でも声と呼べるものではなく、かすかな音、でした。

稽古には本当に迷惑をかけ、主催で演出の山内さんにも、共演者の皆様にもご心配ご迷惑おかけして、本当に不甲斐なく、
ただとにかく声を取り戻すために、
初日まで、できることを全部、全部しなくてはと、父の病院に行きながら、今度は自分の病院へ。

声専門のドクターに最初に診察して頂いたときは、「声帯の皮がほとんど剥がれていて、これでは当然声は出ない」と診断を受け、初日が22日だと伝えると「かなり難しいけど頑張ろう!」と、尽力してくださいました。
そして事務所のマネージャーたちにも病院を紹介していただき、さらなる治療を受けることが出来ました。

本番2日前。
わずかですが、声らしき声が、出ました。
涙が出ました。


本日初日。
ドクターや皆様のおかげで、なんとか声と呼べる音になりました。
完全じゃないけど、本当に完全ではないのですが、それでもお客様を迎えるまで、精一杯諦めないで頑張ります。

幸い父は命に別状どころかみるみるうちに回復し、もはやダイエット入院みたいになってきているし、
母は「ねえ、パパどこにいるの?」と何度も聞きかなりウザめですが(笑)、親戚のおかげでそれなりに穏やかに過ごしています。

何より私が病院にいる間も、諦めずに待ってくれている山内さんと仲間たちに感謝です。



Show must go on.
ほんとにね、Show must go onですよ。
実感しています。


「時を紡ぐもの」はじまります。






ブロードウェイ・バウンズ  プロデュース公演
舞台『時を紡ぐもの』
 
2019年5月22日(水)~27日(月)
大塚 萬劇場
 
 

【出演】
岡元あつこ、田島ケンタ、加藤雅也、ひたたら、山木コハル、島崎あゆみ、カズマ・スパーキン、林亜佑美、山本篤、中能史繁、吉舎聖史、池畑達也、坂崎葵、日名子祐多、加茂テルコ、南紗椰、月山和香、甲部優花、小川諒子、五十嵐ほの香、たねだりんと、A計凱凌、B宮腰拓弥、内藤あすみ、早川まりの

【脚本・演出】山内 勉

【料金】5,000円 (全席指定)

【タイムテーブル】
5月22日(水) B 19:00
5月23日(木) B 19:00
5月24日(金) A 18:45
5月25日(土) A 14:00 / A 18:00
5月26日(日) A 13:00 / B 17:00
5月27日(月) B 18:30
※一部ダブルキャスト

【説明】
自称youtuberの宿無しの男女が寝床を求めて廃墟となったBARらしき店内に入ってくる。
しかし、そこには先人がいて二人のことを何故か知っているという。
こちらも自称占い師・・・。
怪しむ間もなくあちらこちらから人が出てくる。
満月の晩にだけ店を開き、店名を「月下美人」という。
奇想天外な登場人物に怯む二人だが、何故かなかなか外に出られない。
それどころかむしろどんどん巻き込まれていく。
ジェットコースター人情喜劇。
やがて夜が明けるとき衝撃のラストに涙します。

<スタッフ>
音楽:大森竜司
振付:akemi
照明:矢島千浩
音響:余田崇徳
美術:照井旅詩
衣装協力:真野真由美
舞台監督:村井重樹
チラシデザイン:水原 茂
プロデューサー:山内 勉
プロデューサー補佐:田島健太

<協力>
アイリンク
浅井企画
大沢事務所
加川事務所
劇団東俳
GOLDEN STEPS
ジャスティスジャパンエンターテイメント
TWIN PLANET
ノーザンライツイメージ
プロダクション・タンク
ミューズ・プランニング
八尋個人事務所
ワーサル

 

 
 
 
岡元あつこ扱いのご予約は、
http://ticket.corich.jp/apply/99039/003/
よりお願いいたします。
 
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皆様のお越しをお待ちしております(*^^*)