朝一番の大きな地震に、近畿地方の皆様は大変な思いをされていると思います。今朝は私も関西にいる大切な人たちや日頃お世話になっている皆さんの状況が心配で、また震源地に近くに知人も住んでいたので心配しておりました。

 
私は東日本大震災の時は東京の親友宅であの揺れを経験し、
阪神大震災の時は神戸垂水から上京したばかりの子を東京の姉役として面倒を見ていただけに人ごとではなく、
そして能登半島沖地震の時は、まさに珠洲から輪島を旅行中で、海岸沿いの崖道を走るタクシーの中、震源地真横で被災しました。
 
さらに地震ではありませんが、忘れもしないフランス・ナントで、YF NARATESOROのジュニアユースの選手たちとサッカー国際大会出場中に、アイスランドの火山が噴火し、全欧州空港閉鎖で、16人の子どもたちと帰国出来なくなり、数日間ナントの高校寮をお借りして被災生活をともにしました。
 
特に能登半島沖では旅行中と言うことと、まだネット環境が今ほど整っていなかったこともあって、まず現在の情報を知ることができない、何が起きているのかすらわからない、自分の状況を俯瞰で観ることができない状態でした。
そしてフランスナントでは、先の見えない不安と、子どもたちを預かっている責任と、なにより異国の地であり土地の知識がないゆえの的確な選択肢がわからないこと、また言葉のハンデがあるゆえの満足な情報収集ができない不甲斐なさを、痛切に感じました。
 
いずれの経験でも無事に過ごし、もっと言えばその中でもとても快適に過ごすことができたのも、地域の方々のサポートです。

能登半島では偶然出会った何人かの被災者の方と、ほとんど走っていないタクシーをやっと見つけて、知らない者同士が乗り合わせで空港に向かったのですが、ようやく着いた空港は滑走路の亀裂で閉鎖されていました。すると先ほど降りたはずのタクシーの運転手さんが空港ロビーまで戻ってきてくれていて、途中で空港閉鎖のラジオを聴いたから、どうしようもなくしてるんじゃないかと心配になって戻ってきたと。これも縁だから、金沢まで車で行ってあげると言ってくださり、私たちは金沢までタクシーで向かうことができ、時間はかかりましたが無事に帰宅することができました。運転手さんも被災者の一人だし、きっと被害地域にご家族もお友達もいるでしょうに、たまたま出会った私たちのために、遠く金沢まで車を走らせてくれたのです。
 
またフランスナントでも、長期休暇に入った学生寮を提供してくださったり、被災生活中に食事に困ってはいないか心配した市長さんが全員を素敵なランチに招いてくださったり、フランスのコーディネーターさんが子どもたちのために、パリから何時間もかけて大きな炊飯器と日本米を持って駆けつけてくださったり、地域の皆様の本当に暖かいサポートをいただきました。

たぶん現在も、たくさんの外国人旅行者の皆さんが不安な気持ちで過ごしていらっしゃるのではないかと思います。我々日本人は多少地震の知識もあるし経験もある。でも地震というものを全く経験したことがない国から日本を訪れている皆さんがどれだけ不安な思いで過ごしていらっしゃるか、それも本当に心配です。

今は外国人観光客の皆さんの情報の助けになるように、英語での情報をシェアやリツイートするしかできることはないのですが、私があのとき皆さんに助けていただいたように、なにかお手伝いできたらと、ただただもどかしい気持ちでいます。

ご在住の皆さんも旅行者の皆さんも、
今はまだ安心ができない状態だと思いますが、
まずは安全確認安全確保、どうかみなさまご自愛なさってください。