世界統一教会への恨みで、安倍首相が奈良市内で銃撃された事件は、改めて、宗教の恐ろしさを、私たちに見せつけました。
もう何年前になるのかな、
日本中を震え上がらせた、麻原彰晃率いる「オウム真理教」の凶悪な事件の数々がありました。
坂本堤弁護士一家殺人事件が、1989年です。
地下鉄サリン事件が、1995年です。
当時、教団の顔として、教祖の信頼の厚い幹部として、いつも、マスコミに登場していた上祐史浩を覚えていますか。とにかく口達者、「ああ言えばジョーユー」と言われてました。その上祐史浩が書いた本です。
オウム事件 17年目の告白
著 上祐史浩 解説 有田芳生
扶桑社 1,600円+税
地下鉄サリン事件から17年、教団武装化、サリン製造、事件前夜の様子、麻原逮捕、教祖奪還テロ未遂事件まで、元オウムのスポークスマンが、真実を口にしました。
それを、数々の「オウム事件」を取材してきたジャーナリスト、有田芳生が検証した本です。
この本を書いたのは、その、上祐史浩です。
教祖の麻原彰晃からの呪縛が徐々に解け、オウム真理教から「アレフ」と名を変えた教団の代表になったが、脱退しました。
今は、オウムと縁を切り、自らが設立した「ひかりの環」の輪の代表です。
その原動力は、彼の両親の子どもを思う愛情です。
母親はもちろん、父親の親としての自覚、責任感です。
この本で、私が、最も感動したのは、彼が両親のことを書いた部分です。
父と母のの子どもに対する愛と責任感です。
有田芳生が、彼の本の検証人になったのも、両親についての彼の文章だと言います。
図書館で拾い読みしたときも、私もこのページに引き込まれました。
325ページもの、ずっしりと書き込まれた力作です。
事件の記憶が残っていたので、意外に読みやすかったです。