億男、おくおとこ

川村元気

文春文庫 文藝春秋社

680円+税

 

三億円の宝くじ。

ひょんなことに当選した図書館司書。

借金のある自身の生活、家族バラバラの現状。

 

「どう使ったら、幸せになれるか、、」

彼は、図書館の本を検索し読みふける。

「お金と幸せの関係を」。

もちろん、彼の願いは今の現状を解決することだが、、。

 

読んでいくうちに、彼に読者の気持が投入されていく。

思わず読み込み、本に引きづりこまれていく。

自分と主人公を重ね合わせながら、、。

 

私は子ども時代、浮き沈みの激しい生活を強いられた。

一角千金を夢見る父親の夢につきあわされて、、。

 

安定した生活、これが母親や私の願いだった。

点取り虫だった私に、母親は

「大学に入学しなさい。男並みに生きていけるように」

 

大学では経済を学び、卒業後は日興証券へ。

働きながら、日本経済とお金との関係を教えてもらった。

 

結婚退職後、堅実な彼との結婚、大阪での生活。

子どもを育てながら、通信教育で教師の資格をとる。

採用試験を受けて小学校の教師に、、、。

 

本を読みながら、自分の場合は、、と、私自身を点検。

私の場合は、幸福は安定した生活。

裏付けるものはお金と健康と努力。

自分でコツコツ積み上げていくもの。

 

今まで宝くじを買ったことは、一度もないが

老後の今、ちょっぴり宝くじで夢見るのも、いいかな。

 

これが読後感、面白い本ですよ。

また、彼の本をツタヤで探そう。