自然と歴史

ジャワ島スマトラ島カリマンタン島など赤道周辺の17,000を超える島々からなる。環太平洋造山帯とアルプス=ヒマラヤ造山帯の会合部で火山と地震が多く,熱帯気候。16世紀にイスラーム勢力が進出。1602年にオランダが東インド会社を設立,支配。1949年独立。1955年バンドンアジア・アフリカ会議を開催。

 

産業と現状

緑の革命で米の増産に成功したが輸入も多い。パーム油・天然ゴム・カカオ豆の生産が増加。鉱産資源にめぐまれ,石油・天然ガス・石炭・すずなどを産出。2009年にOPECを一時脱退,15年に復帰するも16年に再離脱。アジア通貨危機を機に1998年,独裁体制から民主化。2002年に東ティモールが独立。多民族国家で未解決の民族問題も多い。

 

インドネシアのムスリム

インドネシア・マレーシア・ブルネイはムスリムの割合が特に高く,なかでもインドネシアは世界最大のイスラーム国である。礼拝は大部屋を間仕切りし,男女を分けて行うほか,男女別々の部屋に入って行われる。

 

タンボラ山(スンバワ島)

アルプス=ヒマラヤ造山帯に属するインドネシアでは,現在も火山活動が活発である。タンボラ山は標高2,821mの活火山で,1815年には世界最大規模の噴火を起こした。火山は噴火によって甚大な被害をもたらす一方で,貴重な観光資源にもなっている。

 

スマトラ島沖地震・インド洋大津波

2004年12月26日,スマトラ島北西沖のインド洋を震源とするM9.1の地震が発生した。この地震による揺れは震度6程度であったが,津波によって約30万人の犠牲者が出た。津波警報を出すシステムがなかったことや,多くの人々が津波についての知識を持っていなかったことなどが被害を大きくしたとされる。

 

インドネシアのカカオ豆栽培

カカオ豆は1560年にスペインによってインドネシアにもたらされ,20世紀以降商業生産が始まった。1980年以降生産が急増し,世界3位(2016年)となった。スラウェシ島で国内の6から7割を生産している。

 

 

インドネシアの鉱工業

石油やすずなど鉱産資源が豊富なインドネシアでは,バイオ燃料,液化天然ガス,石炭,石油開発へ,かいがいからの直接投資が増えている。首都ジャカルタ南東部にあるカラワン工業団地には,自動車をはじめ,各種の日系企業も多く進出している。労働人口が豊富なインドネシアには家電メーカーや縫製業など各種の外資系企業が増えており,インドネシア製品の国際市場でのシェアは拡大している。

 

石炭を満載して川を下るバージ船

近年,インドネシアの石炭産出量の増加が顕著であり,2018年現在世界1位の輸出国である。石炭は火力発電用の需要が多い日本など,東アジア諸国に多く輸出されている。

 

インドネシアの天然ガスプラント(バンダアチェ近郊)

かつてオランダの植民地であったころから地下資源の開発が進められてきた。石油,天然ガスなどの産出国であり,日本への輸出量も多い。

 

バリ島におけるヒンドゥー教の火葬

イスラームが伝わる以前のインドネシアでは,ヒンドゥー教と仏教が信仰されていた。13世紀にイスラームが伝わると,ヒンドゥー教徒には物質は循環するという思想があり,死んだ人の魂は天に昇ると考えられている。バリ島では火葬の後,残った灰は海に流される。

 

 

バリ島の棚田

インドネシアやフィリピンは新期造山帯に属し,山がちな地形であるため,平野が少ない。そのため,傾斜地を有効に利用するために棚田も見られる。収量はあまり多くないが,表土の保全や地力,生態系の維持に効用がある。

 

アチェ特別州分離・独立運動和平後の武器引きわたし(2005年)

スマトラ島北端のアチェ州では,石油・天然ガスの利益の還元なども絡んで政府と独立派武装組織が対立していたが,2004年のスマトラ沖地震をきっかけに停戦,2005年に和平協定が締結された。

 

ガルーダの戦士ビマ

「仮面ライダー」や「ウルトラマン」などの特撮ヒーローは,誕生から40年以上過ぎた今でも人気がある。現在では,海外でも新たな特撮ヒーローシリーズが生まれている。インドネシアのテレビ局RCTIで放送されている「ビマ・サトリア・ガルーダ」は,現地メディア企業と石森プロが共同制作した番組である。

 

 

五輪真弓「心の友」(ココロノトモ)

五輪真弓が1982年に発表したアルバム『潮騒』に収録された楽曲である。シングルカットされず,テレビ・ラジオでの楽曲披露がなかったため日本では一般に知られることがなかったが,1980年代中頃にインドネシアで普及し,第2の国歌と言われるほど世代を超えて日本語で歌い継がれている。

2013年にキュリオ・アジアの制作でインドネシアのテレビ局メトロTV(インドネシア語版)で放送開始された日本文化紹介番組『Kokoro No Tomo – Sahabat Sehati』シリーズにその名が使われ,歴代オープニングテーマとしてもカバーされている。