自然と歴史
マレー半島先端,マラッカ海峡に位置する都市国家で,淡路島ほどのシンガポール島と,周辺の島々からなる。ほぼ赤道直下として開発し発展。華人が多数を占める。1963年,マレーシア連邦の一員として分離,1965年にマレーシアから完全独立。
産業と現状
中継貿易で発展し,シンガポール港はコンテナ取扱量世界1位(2010年からはシャンハイ)。ジュロン工業地域を中心に電子・電気機械など加工貿易で発展,知識集約型産業の集積を進め,金融・ビジネスセンターへの発展を図る。TPP(環太平洋パートナーシップ協定)発効4国の1つ。
アニメ「宇宙よりも遠い場所」の第6話は,シンガポールが舞台です
シンガポールの民族構成
シンガポールでは華人が多数を占めていたため,1965年,マレー系が多数派のマレーシアから分離独立した。公用語は,中国語,マレー語,タミル語,英語である。
中国系74.8% マレー系13.5% インド系9.0% その他2.7%
シンガポールの街並み
シンガポールでは国をあげてきれいな街づくりに取り組んでおり,街は緑豊かな熱帯の木々と美しい草花にいろどられている。商業の中心地オーチャード通りの並木道は観光客で賑わう。
産業振興を図るシンガポール
シンガポールは国際的な中継貿易として発展した。近年は2国間自由貿易協定(FTA)の調印を積極的に進めている。政府はバイオテクノロジー関連産業をエレクトロニクス・化学・エンジニアリング産業に次ぐ経済の第4の柱と定め,多額の国家予算を投じて研究開発・産業振興に取り組んでいる。2003年に「バイオテクノロジー」を開設し,海外から企業や優秀な研究者を招き,世界的なバイオ都市建設を目指している。
ジュロン工業団地
1965年のマレーシアからの分離・独立後,シンガポール政府は工業団地をつくり,輸出指向型の工業化に力を入れた。ジュロン工業団地はその中核である。
春節のチャイナタウン
シンガポールは,マレーシアにおいて優遇されていたマレー人と中国系との軋轢から,中国系の人々が建てた多民族国家である。そのため,人口は中国系が75%と最も多く,マレー系が13%,インド系が8%となっている。公用語は英語・中国語・マレー語・タミル語で,すべての人が英語と自分の民族の言葉を話すため,英語圏の人々にとっても暮らしやすい。
チャンギ国際空港(シンガポール)
人口約560万人(2015年)のシンガポールで,チャンギ国際空港の国際旅客数は成田国際空港を上回る5,000万人を突破し,現在もその数は増え続けている。1日24時間,世界各地から乗り継ぎ客が集まり,深夜でも毎日100便近くが離着陸する。多くの乗り継ぎ客のために到着から出発までの手続きはほぼ同じ階で済ませることができ,無料のインターネット使用や無料の市内ツアー(2時間程度・ビザ不要)も用意されるなど,ハブ空港として発展を続けている。
イギリス統治時代のおもかげを残すホテル
東南アジア各地には,かつて植民地時代のおもかげを残す建物や文化が残っている。ラッフルズホテル(1887年)は,イギリス様式の建物の雰囲気を残す,シンガポールを代表する歴史的建造物である。
映画「名探偵コナン 紺青の拳」(2019年)
2019年4月12日公開の映画「名探偵コナン 紺青の拳(フィスト)」では、マリーナベイサンズホテルを始めとした多くのシンガポールの観光スポットが登場する。
マリーナベイ・サンズ(Marina Bay Sands)
シンガポールのマリーナ・ベイに面した統合型リゾート(IR)である。土地を含め総工費80億シンガポールドルで建設され,世界でこれまでにないほど高額なカジノの不動産物件となった。マリーナベイ・サンズは2011年2月17日に開業。これと同時に7つの著名なシェフによるレストランも開業した。
シンガポールの日本人学校
日本人学校は,日本企業の駐在員などが多い地域に多く設立され,日本人子女を対象に日本国内の小・中学校と同等の教育を行なっている。バンコク・シンガポール・ジャカルタ・クアラルンプールなど,東南アジアでは日本人子女が特に多い。