九州・沖縄地方の自然環境

九州・沖縄地方は,九州本島と東西900㎞,南北800㎞の海域に点在する南西諸島の島々からなる。雲仙・阿蘇・霧島・桜島など活動的な火山が多く,九州南部には火山噴出物が堆積したシラス台地が分布する。干満の差が大きい有明海は,干潟の干拓が古くから行われてきた。1989年に始まった諫早湾干拓では,約924haの土地が造成されたが,漁業被害や水質の悪化も見られる。南九州は南海型の温暖多雨な気候を示し,長い日照時間が施設園芸農業の発展につながっている。玄海灘に面する佐賀や福岡の北部は日本海型気候の様相を呈し,冬は湿潤で日照時間が短い。気温の年較差が小さい南西諸島では雪や霜はほとんど見られない。