ウクライナ問題

ソ連崩壊後独立したウクライナは,天然ガスなどのエネルギー供給ををロシアに依存し,構造改革も遅れ経済は停滞している。1954年にロシアより編入されたクリミア半島には,ロシア系住民が多く暮らしており,ロシア海軍の黒海艦隊の基地もある。2014年,親欧米政権が樹立されたウクライナの政変が起きると,クリミアがロシア人の手から離れるのを恐れたロシアは軍事介入し,クリミアを「併合」してウクライナ危機が勃発した。ウクライナ東部では親露派が武装蜂起し,ウクライナ軍との衝突が続いている。国際社会はクリミアの「併合」を認めていないが,2015年,ロシア中央銀行はクリミア半島を描いた新紙幣を発行するなど,実効支配を強めている。