インドの人口問題

人口増加が続くインドでは家族計画(産児制限)政策として,子どもの数を2~3人にすることの奨励,不妊治療の強制や避妊具の配給をしてきたが,成功しなかったため,増える人口へは緑の革命による食料増産で対応した。現在は都市と農村,南部と北部の地域差が出生率にも表れつつある(共に前者が低い傾向)。近年は女子教育に力を入れ,家族計画を進めている。

 

インドの人口は約13億人で,中国に次いで世界2位である。家族計画を奨励し,出生率は下がってきているものの,未だに高い数値を示している。年少人口割合も30.9%(2011年)と高く,2030年頃には中国を抜いて世界一の人口大国になると予測されている。約7割の人々が農村部に住んでいるが,都市部では住宅不足,食料不足が深刻になっている。

 

「子ども2人は理想家族」と書かれた看板(ヴァラナシ)

インド政府は出生率を低下させるため,子どもの数を2~3人までに留めることを奨励している。現在,女子教育の普及などの啓蒙運動を中心とした家族計画が進められている。

 

日常生活の簡単な内容について読み書きができることを識字といい,識字率は15歳以上の人口に対する識字人口の割合を指す。女性が教育を受け,識字率が向上すれば,家族計画に関する知識が得やすくなる。また,社会的な地位の向上により結婚年齢が上がることで出生率は低下する。さらに育児に対する知識や意識が高くなれば,乳幼児死亡率の低下につながっていく。