ミンダナオ島のバナナ農園

アメリカの多国籍企業は1960年代後半に日本市場をねらい,ミンダナオ島ダヴァオ付近に建設した大農園で労働集約的なバナナ栽培を始めた。現在は日本企業も進出し,フィリピンのバナナ生産のほとんどを担う。土地を失った農民たちは農園労働者として働いている。バナナは日本の輸入果物のうち,1位を占める。日本のバナナ輸入先は,1970年中頃以降,台湾やエクアドルからフィリピンへ移った。

 

高原農園

従来のバナナ栽培は,低地で大量の農薬使用や収穫後の防カビ液処理を行なっており,農民の健康被害が続出し,食品安全性も懸念されていた。また,株分けにより生産性を拡大するバナナは伝染病が蔓延しやすい。水はけと日当たりがよいため病害虫の少ない高地斜面では,無農薬有機栽培のバナナも生産されている。