モンゴル高原の夏と冬

モンゴル高原は,大陸内部に位置する標高の1,000から1,500m高原で,北半分には広大なステップが広がる。夏は短いが,7月と8月にまとまった雨が降り,緑の大地となる。人々はゲルと呼ばれるテント家屋に住み,羊・ヤギ・馬などの遊牧を行なってきた。緯度も高度も高いため,冬の寒さは一段と厳しい。1999年から2000年,2000年から2001年の冬には2年連続でゾドと呼ばれる大雪と寒波に見舞われ,約600頭の家畜が凍死・餓死した。家畜の増加にともなう過放牧,夏場の干ばつによる牧草の生育不良などが被害をさらに大きくした。