エネルギー保存の法則
実は、私はたまに朝タクシーで駅まで行きます。
いつも同じタクシー会社を使っているので、当然馴染みの運転手さんができて、いろいろ世間話をします。
そのなかで一人とても仲良くなった運転手さん(坂本さん(仮名))がいます。
坂本さんは末期の癌を宣告されていて、初めて出会った2年前から後1年ぐらいしか生きられないと言っていました。
が、なかなか人間簡単には死ねないもので、未だに元気に運転手を続けています。(但し、もう最近は私がタクシーに乗る時間帯を含めて午前中しか勤務していないそうです)
実は坂本さんは、もと政治家でタケシのテレビでもおなじみのハマコーさんをもよく都内まで乗せていくらしく、ふざけた話を聞かせてくれている。
その坂本さんから今朝ある質問を投げかけられました。
「原油がまた上がってきてますが、やっぱり次世代エネルギーは太陽エネルギーが本命なんでしょうかねぇ?」
エネルギー会社に勤めるさしものわたしも、なんとも答えずらい質問です。
その人はかなり学のある運転手さんで、原油・ナフサ・灯油・軽油・ガソリンなど化石燃料の性状と性状からくる用途のちがいや市況にも詳しく、私も子供だましの返答はできません。(聞くところによると毎日日本経済新聞を愛読しているとか、、^^)
たまたま昨日見た「11th hour」という映画がヒントになりました。
化石燃料が本格的に利用される前まで、地球上の人口は長らく10億人を超えることはなかったが、石炭を発見した産業革命以降(1600年代)、化石燃料のエネルギーのおかげで人口も飛躍的に伸びたとのことです。
ここで言える事は、太陽エネルギーがただ単に降り注いでいるだけの場合、およそ10億人を養うことができていたという事実です。太陽エネルギーは穀物を育て、風を起こし、また海水を温め地球を住みやすい温度に保って来たのですが、そうしたエネルギーの恩恵にあずかることができたのはせいぜい10億人までという意味です。
ところが人類は、過去何十億年と降り注いだ太陽エネルギーが蓄積されたある形態の物質を発見し、今猛烈な勢いで消費しているということを坂本さんに伝えました。
坂本さんからは、「エネルギーは急に増えたりせず絶えず一定ですものね」と返答しました。
エネルギーは、原子や分子の結合、とくに共有結合に効率的に蓄えられることが知られています。120ある原子のなかで、この共有結合を持つ物質は周期表の左から5列目の炭素の仲間、そのなかでもとくに炭素同士がつながった形にエネルギーは効率よく蓄積されます。
もうお分かりと思いますがそれが石油です。石油はほんのわずかな火種をきっかけに大きな燃焼エネルギーを人類に与えてくれます。但し、それは過去に蓄えられた何億年分かの太陽エネルギーであり、ある意味再生不能なエネルギーです。
地球上にあるエネルギーはある意味、太陽エネルギーの総和のようなもの。ほんらいその量は一定であり、持続可能なレベルで人類を約10億人養うことができるとしましょう。効率性を改良したところで、のこる50億人を養う代替エネルギーがどこに蓄えられているのでしょうか。効率よくエネルギーを引き出す酵素でも発見すればよいのでしょうか。
私の家から駅までのほんの5分の間に、私はここまで話すと、酵素は確かに低温での反応を可能にし、エネルギー産出をおこなえるでしょうが、何十億もの人類をてっとりばやく養うだけのエネルギーは、核以外にはないでしょう。
なんとか、核で場をつなぎ、水から効率よくエネルギーを取り出す酵素や仕組みの発見を待つことになるんだと思います。と締めくくりました。
今考えると夢物語ですが、後世になってわかる21世紀最大の発明とは、おそらく「水の高効率なエネルギー利用」になることは間違いないと信じています。これができないならば、人類は化石燃料使用継続をさっさと諦め、核エネルギーに移行すべきなんだと思います。そのほうが危険と常に背中合わせである分、技術開発もより進むに違いありません。たぶん。