攻殻機動隊 STAND ALONE COMPLEX 1
まずは、シリーズの紹介を。
士郎正宗原作のマンガ作品「攻殻機動隊」を原作に、
押井守監督、1995年の劇場用作品
2002年放送開始のTVアニメ版。
西暦2030年、情報ネットワーク化が加速度的に進み、
多発する電脳犯罪や、そこから生じる様々な事件に対処するために設立された、
内務省直属の独立部隊、公安9課、通称攻殻機動隊の活躍が描かれる。
脳と脊髄の一部を除いてほとんど義体化した部隊のリーダー、
草薙素子が自身のアイデンティティを問う物語だったが、
S.A.C. (Stand Alone Complex) シリーズは基本的に1話完結スタイルをとり、
公安9課による事件解決をメインとする刑事ドラマ的な作りとなっている。
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S.A.C. が2002年に放映され、
S.A.C. 2nd GIG は先月末にDVD化を終えました。
それぞれ26話ずつですが、決して長く感じることはありません。
1話はあっという間に終わってしまい、立て続けに観てしまうこと請け合いです。
全話一通り観たのですが、
ストーリーが余りに秀逸で、また多少難解なため、
再度観ながらレビューを書いていこうと思うのです。
時代設定が近未来で科学技術も進んでいるため、
従来の20世紀的な発想では到底予想もつかない話が展開されます。
2030年までに更なる2度の世界大戦を経験し、再び核も落とされ、
遷都したり政界再編が行われたり、そういった設定も生かされています。
(簡単にサイボーグになれたり、放射能除去もできるんですわ)
脚本も4人の脚本家による競作のような部分もあり、
そんじょそこらのサスペンスやクライムストーリーなどとは比べ物にならない、
非常にクオリティの高い作品です。
サントラも聴き込みました。
オープニングテーマの、ORIGA の厳かさと透明感。
菅野よう子作のBGMは、時に危機感や緊張感を煽り、
時に心を和ませる。
TVシリーズであるが故の、作画の粗さ。
よく見ると、ときどき登場人物の顔のデッサンが随分狂っていたりします…残念。
言いたい放題言わせてもらえば、
オープニングムービーのCGのクオリティで全篇通して欲しかった(ムリムリ^^;)
後々、サイドストーリーで各々のエピソードが語られるのだけれど、
ここでも随分いいように紹介されていました。
特に本庁から引き抜かれたトグサの洞察力が光るシーン、必見です。
彼は9課の中で最も擬体化率の少ないメンバーですが、
映画版でもそうであったように、
素晴らしい洞察力をもって難事件を解決する糸口をつかんでいくのです。
メインストーリーとは関係のないヒューマンドラマですが、
そのなかでも世界観を理解させるための情報が多数散りばめられており、
こういうものを織り交ぜてシリーズを構成していくところにセンスを感じます。
まだ大事件は起こりません。
これだけを評価するのは難しいかな。
Aということで。