顔や頭蓋骨の歪み、首の歪みや問題、背骨や腰のズレなど、それぞれ、あるいはそれらの関連は、整形、整体、カイロプラクティック、オステオパシーや顔面矯正、頭蓋骨矯正など、多くの分野で、日常的に目にしたり、耳にしたり、一般的にもなんとなく知識があるのではないでしょうか?あるいは、日常的に治療、施術を受けているかもしれません。
それらを目にしたとき、気になるのが、そのメカニズムや原因に関して、混乱や偏りが多いように思うのですが
以前も書きましたが、解剖・生理学的メカニズムと病態の発生機序としてのメカニズムは違うのですが、正常な解剖・生理学的メカニズムが、病気の原因になっていたり(原因ではない)、そのまま病態の発生機序になっていたり、いきなりそのメカニズムの中で、1つの原因を決めつけていたり。また、病態の発生機序としてのメカニズムが、原因になっていたり(様々な原因から、同じメカニズムで病態が発生することもあります)、原因の説明がなかったり、原因が足りなかったり、と。
きっと何を言っておるんだと・・・分かりずらいですね?
具体的に言うと、例えば、”頭蓋骨から背骨、腰までは、つながっています。ですから腰がズレると頭蓋骨が歪みます!”本当ですか?、”姿勢が悪いと体のバランスがズレ、頭蓋骨が歪みます”本当ですか?、”腰がズレると、背骨が曲がり、頭蓋骨が歪みます。”.....?そもそもどうして腰がずれるのでしょう?、”姿勢が悪いと腰がずれます”絶対ですが?、”姿勢が悪いと腰もズレ、背骨も曲がり、アゴもズレます”本当ですか?姿勢からアゴまで?正常な噛み合わせだったとしても?、”アゴがズレると、背骨が曲がります。ですから、アゴを正常な位置に戻しましょう”!そもそもアゴがズレた原因は?アゴだけ直接戻していいんでしょうか?
歯科領域以外で、原因とされているもので目立つのは、”姿勢”でしょうか。あとは”腰のズレ”から。骨盤とか。これも間違いではないのですが、この場合、
アゴまでは説明されている場合はあっても、噛み合わせに関してまったくふれていない場合が多いので、それでは足りないのではないかと。また、歯科で多いのは、”全て噛み合わせから起こる!”と断定的に(ひどいと100%として)言い切ってしまっていること。
まとめると、1つは、正常な機能やメカニズム、各原因による病態発生機序としてのメカニズム、そしてその症状(後述)、これらが適切に区別され説明されるべきだと(当たり前に聞こえるかもしれませんが、意外と.....).
そしてもう1つは、人間はそんなに単純ではないので、1つの分野、1つの部位、だけで診断したり、説明しきったり、あるいは、1つの理論ですべてをひっくるめてしまったり、と言うのはどうしても偏ってしまうか、足りなくなってしまうのではないかということでしょうか。実際、今書いている内容も、“噛み合わせ”についてですが、少なくとも頭蓋骨から頚椎までは診ないと、正確な診断はできないですし、これでも一般的に考えられている歯科の範囲からはみ出てるのではないでしょうか?ですから、頭蓋骨や頚椎を直接治療はしないですが、診断や治療上の評価の基準では重要です。日ごろの臨床でも、初診時から治療中も常に、頭蓋骨、頚椎、手のしびれ、背骨、腰、ひざ、足首、足の長さ、目、耳、めまい、頭痛、肩こり、etc...は常にチェックしています。そうしないと、噛み合せに関しては評価できないようになってしまっているのですが。インプラントや矯正なんかも、顔が(頭蓋骨)歪んだままではできない!歪んだ顔では、どこにどの角度でインプラントを入れていいか分からないですし、矯正も、頭蓋骨が歪んでいたら歯がズレているのか、アゴごとズレているのか分からないので、間違って抜歯矯正などしたらとんでもないことになってしまいます!(僕の感覚です)でも、実際、全身のここに上げた部位だけでも、治療中に常に反応が出ています。例えば、10ミクロン噛み合わせを調整しただけでも、首が動くようになったり、手に痺れが消えたり、胸の締め付け感や頭のもやもやが消えたり、かなりシビアに反応が出ます(後述)。あくまで、”反応が出る”=”関連がある”ということです。”反応が出る”=”全て噛み合わせで治る”ということではないです(念のため)。
原因論としてもう少しいうと、頭蓋骨の歪みは、他の骨とはちょっと違います。それぞれの骨が、縫合(可動性のない繊維結合:不動関節・・・・西洋医学的に統一された認識。西洋医学的にも頭蓋仙骨システムのような、呼吸のような動きに関する理論はある)で結合しています。これは、少なくとも見た目上で動きはありません。これは、頭蓋骨だけで、その他骨は、可動性の関節(滑膜性関節)か、恥骨結合や、背骨の間の椎間板のような繊維軟骨性結合(不動関節に分類されますが、曲がります)です。
ですから、頭蓋骨以外は、動くので、歪んだりズレたりしやすそうですよね、単純に。それに比べて、頭蓋骨は動きずらい(歪みずらい)。イメージできますよね?ですから、腰や首のズレや歪みは起きやすくても、頭蓋骨の歪みはそれほど簡単には起きないのでは?姿勢が悪いだけや、腰がずれたからと言って、頭蓋骨が縫合からズレるか?ありえると思いますが、よっぽど特殊な条件で、悪い姿勢を続けないと、起こらないのでは?少なくとも、体のバランスや重心がズレても、頭は傾くことができるので、歪まなくてもバランスとれなくはないですよね?
ですが、噛み合わせが悪くて、下顎までズレると、噛む度にずれた位置に来るか(ほぼそこに固定された状態に近い)、ほとんどは、筋肉の硬直も伴っているので、顎関節のズレ、変形も伴って、ズレた位置に固定されます(開きますが。ズレ位置で)。しかも、顎関節は、解剖学的には唯一外れながら動く関節なので、ズレやすいし、他の関節に比べて、ずれる量も大きくなりやすいです(他の関節は怪我でもしないと、そうそうはずれないですよね?)。そうすると、まず自然には戻れない。それなら筋肉の硬直も加わって、頭蓋骨がズレても全然おかしくないか、少なくともその他の骨の歪みからよりも原因としては優位ではないでしょうか?
ごちゃごちゃ書いてしまってますが、簡単にイメージしてみてください(できれば)。
ですから、原因論的にいくつも考えられますが、頭蓋骨、頚椎、背骨や腰など、全身の骨格の問題があるときに、噛み合せの要素はかなり重要な項目になるのではないでしょうか?僕が臨床で噛み合わせを見るときに、頭蓋骨や首などを診るのと同じように、首や腰を見るときにも、噛み合わせを診るのは、必須と言ってもいいのではないかと、思うのですが。
僕の普段の臨床では(治療に関してはいずれ詳しく説明します)、初期治療で、噛み合わせを数ミクロン調整し(神経学的コントロール:削って形を合わせるのではありません)、筋肉の硬直が抜けるだけで、ほとんど全ての患者さんに少なくとも顔、頭蓋骨、首、腰などに反応があります。すぐに真っ直ぐになってしまう人もいますが、物理的な仕組みでの歪みより、Self-correcting mechanismによる補償的な歪みの要素が大きい人や、噛み合わせが悪くても筋肉の硬直が少ない人が整いやすいですね。僕の記憶の中では、噛み合わせが(少なくとも下顎の位置が)ほぼ整った段階で、腰や首の症状が残った患者さんはいないですね(少なくとも自覚症状の範囲で)。これも、筋力が足りなかったり、経過が長く、ヘルニアなどダメージがひどかったり、外傷の既往があったり、不可逆性の状態があったりとどんなことでもありえますから、全て噛み合わせが原因と言っているのではないですよ、くどいですが。
原因論を分かりやすく解説したかったのですが、ごちゃごちゃしてしまいました......。医療の基本は原因療法なので、この原因論は、診断にとって重要で、診断が間違ったら、処置も当然間違ってしまうので。最も重要な要素ですね。
次回は、症状と処置に関して解説しようと思います。
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