頭蓋骨、顔の歪みのお話です。


この図は、Dr Carlsonの”Occclusal Diagnosisという本からのものです。このような評価の方法が、歯科でもいくつももあるのですが、統一された認識にはなっていません。
これは私の師匠の患者さんのレントゲン写真ですが、初期治療から本格的な治療の段階に入っています(左が初診時)。このレントゲンは、耳で固定していますので、常に同じ位置で撮影され、頭も傾くことができません。でも傾いてますよね?それが右の写真ではまっすぐになってますよね?これは(現象)事実です。頭が傾かず、このようなことが起こったとすれば、唯一、頭蓋骨が歪んで、耳の位置(側頭骨)の位置が変化した以外、考えられません(機械は壊れてませよ、念のため)。例えば、左の写真で歯やインプラントの位置や角度を決定し、途中で右のようになったら、ずいぶん位置や角度が違ってますよね?

ここでは、頭蓋骨自体には何もしていません。首も変化していますが何もしていません。この辺のことは後で詳しく説明しますが、歯科領域で原因とその関連を判断するためにも、まず歯科的なアプローチで、その反応による評価を(頭や首の)することで、噛み合わせが原因かどうか?あるいは、少なくとも噛み合せが関わっているか?が判断できます。この患者さんは、歯科治療しかしていないので、それでもまっすぐになり、もともとあった不定愁訴もこの段階で全て消えているので、ほぼすべて噛み合せが原因だと判断できます。

もし、反応はあるが(よくなってきたが)、完全に取りきれなければ、噛み合わせが関わっているが、全ての原因ではないと言うことが分かります。そうなれば、歯科治療でその範囲の影響が治り、それ以外が、適切にその他の以下領域で治すことができると言うことです。(原因論についても後述します。一般的に歯科、医科、頭蓋矯正等含めて、問題があるので)

逆に、同時に頭蓋骨矯正やオステオパシーにしても、行ってしまうと、より早く治るかもしれませんが、何が原因か(何から何%か?)分からなくなってしまいます。

上顎骨の話ですが、上顎骨の内側は、鼻腔底(鼻の底)です。ですから、上顎骨が歪むと鼻の中も歪みます。その結果、物理的に鼻腔が狭くなったり、慢性的な鼻炎が起こったりします。レントゲンで鼻の部分を見ると明らかに変化しますし、多くの患者さんが症状が消えているか、軽減しています。もちろんこれはすべtて噛みあわせから、と言うわけではなく、いろいろな原因は考えられますが(アレルギー等)、少なくとも鼻の問題を考えるときに、噛み合せや頭蓋骨の歪みもその要素に含まれると言うことです。例えば、100%噛み合せが原因の鼻炎を、鼻だけが問題だと診断したら、何をやっても対症療法ですよね?永遠に治らないかもですね。


鼻だけではありません。前述したように、眼窩の一部も上顎骨なので、上顎骨が歪むと目が歪んだり(周りの骨)、目が下がったり、小さくなったり、目が出るような圧力を感じ、まぶたに眼球が擦れる感じを訴える患者さんもいます。これも噛み合わせを調整すると、変化します。視力も変化します(変化があれば)。大体の患者さんは目が治療前よりも大きくなっています。これは、頭蓋骨ガ歪むと筋肉(表情筋)もゆがむので。これも、全てが噛み合わせが原因と言うわけではありません。

なんとなく感じたかもしれませんが、健康を考える場合、治療も含めて、どうしても各体の部位、器官を分けて考え、治療も行う傾向がありますが、それぞれに分けて考えるのはいいのですが、全て繋がっていて、影響しあっているので、切り離しては考えられません。そこが、噛み合わせを考えると、頭蓋骨の一部であり、筋肉や硬膜、腱、靭帯等で多くの体の部位と繋がっていて、神経、血管のつながりを考えると、物理的にも生理学的にも全身に多くの影響があるはずです。下顎の周りの筋肉だけでも136個ありますからねぇ。簡単にみても目や耳、鼻、首、脳などへの影響は、解剖学的に考えても明らかにあるでしょう。でも......、例えば、整形や整体では、全身の骨格や筋も扱い、熟知しているでしょうが、噛み合わせはまったく分からないのではないでしょうか?そうすると、かなり少ない情報での診断と処置になってしまうと......。この辺は原因論と関わってくるので、後日詳しく解説します。後述、後述というのが多いかもしれませんが、情報がかなり多くて、でもいろいろなところでリンクするので。


次回は側頭骨と耳のはなしをもう少し。

よろしくどうぞ。