西成活裕著、新潮文庫。

物理の考え方をベースとした「渋滞学」。仕事にも教育にも使える。

各章末の「チェックリスト」も面白い。

目次より。

○section1 個人の渋滞、解消します!

渋滞解消のためには「車間距離」をあけましょう
スケジュールの合間も「車間距離」をあけましょう
「安定」を意識すれば、予定の渋滞はなくなります
はじめは「継続」を最優先にしてください(仕事の質よりも量よりも継続を。「慣性の効果」を利用。


「一日の時間割」をつくりましょう(カタマリで捉え過ぎたら身動きが取れなくなる。分割して足し合わせる

八時間労働のうちの二時間は「ゆとりの時間」にしましょう
仕事には「全力の七割」で取り組んでください

「前日の準備(外ダンドリ)」を丁寧にやりましょう
「勉強」から「仕事」にスイッチを切り替えましょう
クリアファイルを使って、たった一五分の時間も活用しましょう
心が動いたら、かならずメモをしましょう
ランチタイムの待ち時間は「リトルの公式」で計算しましょう
他人のマネをすることは、仕事を渋滞させてしまいます
なぜ、職場で他人と役割を分担しているのかを考えましょう
アイデアは「短期的」「長期的」の二方向からつくりましょう
仕事のコツは、「成長」よりも、「分散」や「安定」にあります
○section2 部内の渋滞、解消します!

スタッフそれぞれの「流れ」を大切にしてあげてください
最高の渋滞解消法は、「会話をすること」「命令しないこと」
個人の能力は、なぜ部内の成果につながらないのでしょう?
交代で利益を得ることが集団全体の利益を最大にしてくれます
ビッグマウスは「流れ」をよくすることもあるのです
目的を共有するためには「大義」を設定しなければなりません
東京大学のムダ取りも、目的を揃えるところからはじめました
東大ムダ取り改革も、はじめは反対されてばかりでした
部内の改革に成功すれば、ドミノのように全体に効果をもたらします
現場に反発されたときには「なぜ?」をくりかえしました

電話応対は集中力を奪いますから、交代制にしましょう
部署をこえた会話で、市場のニーズを多角的につかみましょう
業務管理表は、大きい字で紙に書いて貼りだしましょう

○section3 社内の渋滞、解消します!

「三年で黒字になるけど五年で倒産してしまう情報」なら要りません
全体の改革のためには、視点を変えて仕事を見なければいけません
全体のムダ取りを考える基本「トヨタ生産方式」を紹介しましょう
(一部の作業・工程の改善は全体の改善につながらない)


売りあげは「流れの分量」と捉えるべきなのです
会社のいいウワサをひろげるには「限界質量」を考える必要があります
なぜ、これまでとちがう観点で「全体」を捉えなければならないのでしょう?
会社全体の改革は、ボトムアップ型がいいのではないでしょうか?

組織の理想は「〇・九+〇・九+〇・九=五」なのです(個人は1でなく最大0.9くらいでよい)
そもそも、私は、社会や組織につながれませんでした
個人の能力は、なぜ、社会全体からは評価されないのでしょうか?
二〇回も就職試験に落ちてしまって、わかったことがありました
個人は社会の問題を解決しなければ、社会につながれないのです
渋滞学は、社会の全体とつながるための学問でした

点の改善から、面の改善に向かわなければならないのです
金型を共有化できれば、日本の製造業は世界で戦えるはずです
会社の全体は「部分の総和にはならない」と考えなければいけません(要素還元主義でなく、複雑系の考え方を)

戸塚隆将、朝日新聞出版。


文字通り、ビジネスの基本を網羅。 以下の目次だけでも自省に使える。


○Chapter1 人との「つながり」に投資する


1.利害関係を越えた「つながり」を信じる

2.貴重な時間とお金を「つながり」に投資する

3.学生一人ひとりの名前を覚えるハーバードの教授

4.相手への興味を真摯に持ち、質問する

5.相手との時間を印象的に共有する

6.先輩・上司との飲み会を避けない

7.どんなに多忙でも、週1回仕事と関係ない人に会う



○Chapter2 自分の内面と外見を磨く


8.エレベーターで他人を先に降ろす余裕を持つ

9.「すみません」よりも「ありがとう」を伝える

10.正解のない問題を考えるクセをつける

11.読んだら3倍考える、マッキンゼー流読書術

12.新聞は「世間の反応」を考えながら読む

13.斬新な「思いつき」よりも、骨太な「意見」を重視する

14.ネットでカンニングせず、自分の頭で答えを出す

15.紙とペンを手にオフィスを離れよう

16.「ポイントは3つ」で思考の瞬発力を鍛える

17.無遅刻・無欠席を続けられる健康管理をする

18.身体を動かすことで心にアンチ・エイジングを施す

19.服装は個性よりも清潔感を大事にする

20.2週間に1度は靴を手入れする



○Chapter3 時間に支配されずに働く


21.どんな理由があろうと、10分前には現地到着

22.ハーバード卒業生が教える週末自己投資術

23.ゴールドマンの上司が始業1時間前にしていること

24.明日の朝一ダッシュをかけるための儀式(⇒帰宅前の整理整頓・Todo整理)

25.1週間が始まる前にオフからオンに切り換える

26.ゴールドマン流優先順位設定法



○Chapter4 決定的なコミュニケーションで成果を出す


27.3秒で開ける場所に常にノートを置いておく

28.仕事を頼まれたら、その場で完成イメージを共有

29.引き受けた仕事は5分間設定ですぐやる

30.メールの返信スピード=あなたの評価

31.上司へのホウレンソウは先手必勝

32.ホウレンソウは仮説を入れて、念押し型でやる(⇒・・・と考えていますが、この方向ですすめてよろしいでしょうか)

33.忙しい上司のスケジュールに割り込む

34.上司への経過報告は翌朝を狙う(⇒7割型でよいのでホウレンソウ)



○Chapter5 利益を生む資料と会議で貢献する


35.作った資料は「自分の商品」だと心得る

36.マッキンゼーがプレゼン資料に1色しか使わない理由

37.資料は「紙芝居」と「3W」を意識する (⇒誰に、何を、何の目的でWHY)

38.「マッキンゼーノート」で伝わる資料を作る

39.「1チャート、1メッセージ」にこだわらない

40.attention to detailを徹底する

41.会議で発言しないのは「欠席」と同じ

42.会議ではホワイトボードの前に座る



○Chapter6 世界に打って出るキャリアを高める


43.愛国心をパワーの源に変える

44.英語は「ペラペラ」よりも論理コミュニケーション

45.英語上達は目標を明確に短時間で成果を出す

46.今より一つ上のポジションを意識して仕事する

47.会社は「退学」せずに「卒業」する

48.「自分ノート」を肌身離さず目標管理する


(参照)内容が類似部分あり



松本清張、角川文庫。


「境遇と身分と職種を問わず、男たちが晩節を全うするのはなかなか容易なことではない」(解説より)


高度経済成長下の現実を映す鏡、とも言われるが、現代にもそのままあてはまる描写。

池井戸潤、小学館文庫。


日本型金融システムといった大きなテーマに加え、細部にも銀行員生活の大変さをリアルに描写、ストーリー以上に惹きつける。

佐藤優、青春新書。


今後を生き抜く指南書、とのことだが、網羅的ではない。


ただし幾つか面白い個所あり、抜き書きしておく。



相手の内在的論理を見抜くこと。経験談を聞く・映画・本等でも「代理経験」を積み、シミュレーションすれば「びびらない」。


第二次大戦に代表される「精神主義」という非合理性は、人間に対する「侮り」から。

「侮らない」ということは仕事でも一緒、メンテナンス・フォローの重要性。


「先回りしてやりすぎる」のは完璧主義から。むしろ「先送り」と紙一重。

「思考の硬さを意識的に柔らかくするよう」に考える