長男、次男はみるにみかねて、エリザベートに抗議しつ
づけた。しかし、彼女は譲歩しない。こうしてルドルフは
皇帝の子孫でありながら、不況のときには失業したり、職
業安定所の窓口に並んだりした。
そのうちに、競走自動車に興味を持ちはじめ、欧州でも
有名なレーサーとなるが、ルドルフのことで母親に反対し
つづけた長男フランツ・ヨーゼフはついに怒って家をとび
出し、父親のオットーの所に身を寄せる。次男のウェーリ
アントもミュンヘンの美術学校に行ってしまい、ウィーン
郊外の新しい館に一緒に住んだのは、三男ルドルフと長女
のシュテファニーだけであった。母親に似て美しい娘シュ
テファニーは後に、ベルギーの尼僧院に行ってしまう。
