私は少し思い違いをしていました。


手術をした病院から東京の主治医へ、治療の経過と今後の治療についての提案が申し送られ、それに対して主治医はなんらかの返答をするものと思っていたのです。



今後積極的な治療をしないと決めたとき、それは主治医から連絡していただけるのかと尋ねたら、特に連絡の必要はないですよとのこと。

たくさんの患者さんを診ている中、治療を進めるならばもちろん連絡が必要だが、そうでなければ、先方がずっと連絡を待っていることはないと言うのです。



そうか。

そういうものか。



言われてみればたしかにそうだな。




そうは思うものの、こと肉腫科の先生に対してその対応は違和感がありました。




入院中、実は私は先生から本を1冊お借りしていました。

山が好きだという話になって(この話は2月に初めてお会いしたときにもしているが)、先生が最近お読みになったというとある山の本を貸してくださったのです。 


あっという間に読み終わったものの、先生の訪問が間遠になり、たまにいらっしゃると衝撃の展開ばかりで、最後までお返しするタイミングを逸して一緒に退院してきてしまったのでした。




そこで、本をお返しするのと一緒に手紙を書くことにしました。


退院後、無事にやっていること

食べる喜びを満喫していること

友人たちと楽しい時間を過ごせていること

そんな時間を作り出してくださった先生方に心から感謝していること


そして、最後まで自分らしい時間を過ごすために、今後治療は行わないこと




そんなことをしたためて、先日本と一緒にお送りしたのでした。


お忙しい先生にどのように受け止められたかわかりませんが、私の感謝の気持ちがそのまま真っ直ぐ届いていてくれればいいなと願っています。






昨日焼肉の後、秋風に吹かれながらカフェ・ラ・テ。

虫の音の中とっても気持ちよくて、この時間をきっとずっと忘れないと思った。