トイレ休憩では、束の間の休息が訪れる。
各々ジュースを買うなり、食べ物を食べるなり、トイレに行くなりと
過ごし方はそれぞれだった。

担当者と社長はスザンヌを囲い込むように群がっている。
正直、その光景は気色悪い。20半ばの女性に対し、アラフォーが2人。

油ギッシュなデブ(社長)とイケメン風な野獣。
どちらも今後の作戦をきっと立てているに違いない。
そんな情景だった。

出発時間になり、バンへ戻ると信じられない光景がそこにはあった。

車内配置図:
後部座席 女性A、スザンヌ、担当者
中部座席 女性B、俺、社長

担当者が今度はスザンヌの膝枕を堪能していた。
そんな光景が俺の目に飛び込んできた。仕返しなのか。
そして、社長の入る隙を無くした今回の席。

俺は気まずい雰囲気の中居なくなった社長を待つ。
どうやら、ウンコをしていた社長。
トイレットペーパーが無く、ケツを拭いていないらしい。


俺の心境は何よりも社長が「汚い」ウンコ糟の油ギッシュデブにしか見えなくなっていた。
社長が後部座席を見るなり、女性Aを自分の席と交換しろと言い出した。
従業員でもある彼女は社長命令には逆らえず、席を交代した。

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ついに、しかめっ面をした社長が動き出した。

社長「眠い!」

と言いながら、スザンヌの膝の上に自分の頭を乗せて寝始めたのである。
これには担当者もビックリ仰天である。
今まで行ってきたアピールも、この一瞬で全て総崩れ。

担当者「社長さん!もうすぐトイレ休憩だから、スザンヌの上に寝たらスザンヌ動けないよー?」

社長「そこに着いたらどいてあげる。」

この勝負、社長の勝利だと思った。
そして、スザンヌ、俺はお前が可愛いなんて思わない。
だけど、その誰にでも尻尾を振るその行為が問題だ。とも思った。

社長の返事に益々機嫌を悪くしたのか、
強引に手を伸ばし、社長を起こした!
これは喧嘩が始まるのかと思ったが、ここは社長ビビリの性格もあり
担当者の為すがままだった。

それにはご満悦な担当者、今度は席替えを要求。
車内の狭い中で、手頃な俺と担当者自身の席を交換。
実質動いたのは2人だけ。これって席替えって言わない。

餓鬼の牽制もいよいよ本格化。
トイレ休憩中に事件は起こった。

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旅行当日、共同で行っている仕事にトラブルが発生。
他社の担当者は是が非でも旅行に参加したかった。
いや、参加しなければ絶好のアピールタイムを失うことになるのだ。

旅行は2泊3日。
2晩もその女性と過ごせるのはまたと無いチャンス。
女性の名前はスザンヌ(仮称)

社長 VS 他社担当者

担当者の必至の甲斐あって、遅れてだが集合に間に合うことができた。
車内には俺を含め計6名のメンバーが揃っていた。

車内配置:
後部座席 社長、スザンヌ、俺
中部座席 女性A、担当者、女性B
前方座席 運転手


目的地へ向かう道中、スザンヌは必要以上に俺に話しかけて来る。
担当者が、社長にスザンヌを取られまいと猛烈アピールは始まった。
それに疲れたスザンヌは俺に話しかけて来る。

社長は顔をしかめっ面にしながらも、
終止無言、女性Aが気を遣ってか話しかけるも、
やはり長くは会話は続かない。

車内の雰囲気はどんどん暗くなって来る。
俺は何でこんな高校生の様な旅行に参加してしまったのだろうか。
後悔の念が付いてまわってくる。

そして、次の瞬間に社長は動き出したのである。


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かれこれ1ヶ月が経過した。
他社の担当者も今では何かふっ切れたのか、
激しい電話は無くなった。

ある日、日中珍しく社長がオフィスに顔を出した。
どうやら俺に用事があるようだ。

別室へ移動し、徐に社長は言った。
「僕は子供が欲しいんだよね。」

こいつ、狂ったか。
いよいよというか、何というかだが、
呆れて返答もできない。そんな俺に更に彼は言った。

「あの女子社員との子供」

は?俺に許可を求める必要がどこにある?
理不尽な人間はこうも突飛な行動や言動を躊躇なく行う。
どうやって返事を返したらいい?

俺「いきなり言われても、事実婚の嫁さんはどうするんですか?」

社長「今夜家に帰って説明する。」

そうですか。俺に被害だけは出さない様にお願いします。
そんな感じで話しをし、二人の秘密会議が終わった。
正直、あんなことが起こるとはその時は知れず。


その後、平穏な日々は戻り、社長から提案があった。
一緒に旅行にでも行かないか?と。
他社の担当者や、そこで働く人もみんな一緒に行くならと参加を承諾した。


しかし、未だ見ぬ恐怖はほんの直ぐそこまで来ていた。


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