アレクシア女史、倫敦で吸血鬼と戦う (英国パラソル奇譚)/ゲイル・キャリガー
¥840
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初洋書は『検屍官』にしようかと思っていたのですが、こちらに変更。

なんだか良く分からずに手に取って衝動買いして

結構お気に入りのシリーズになっています。





『19世紀イギリス、人類が吸血鬼や人狼らと共存する変革と技術の時代。さる舞踏会の夜、われらが主人公アレクシア・タラボッティ嬢は偶然にも吸血鬼を刺殺してしまう。その特殊能力ゆえ、彼女は異界管理局の人狼捜査官マコン卿の取り調べを受けることに。しかしやがて事件は、はぐれ吸血鬼や人狼の連続失踪に結びつく――ヴィクトリア朝の歴史情緒とユーモアにみちた、新世紀のスチームパンク・ブームを導く冒険譚、第一弾 』
(本書裏表紙より)





設定がやはり魅力的。

ただ吸血鬼や人狼が出てくるだけじゃない。

彼らが市民権を得て、普通に街中で暮らしているというのがとても面白い。

そして、我らが主人公アレクシア女史の能力も。





元々、19世紀・霧の都ロンドンというのは憧れの時代、場所でして

まぁ、ホームズが好きな人間なら皆そうだと思いますが。

大英帝国最後の繁栄と呼ばれるあの時代

そこにこんな得意な設定をぶち込むだなんて

とても素敵。





特殊な能力を父親から受け継ぎ持っているせいで婚期を逃しオールドミスを呼ばれるアレクセイ女史。

きちんと『管理』された吸血鬼や人狼であるならば、彼女の能力を恐れ襲うことは愚か、近づくことさえしないはず。

なのに彼女が訪れたとある夜会で、女史に牙を剥く吸血鬼。

自己防衛のため反撃すれば、なんと相手は死亡。

そこに知り合いの人狼達が現れて、さぁたいへん。

こんなだらしない格好を、吸血鬼の女王は許さないはず。

これには何か、裏があるはずだ。

いつの世も、女性がそんな風に出しゃばったら男性はイヤな顔をするんですね。





設定がとても独特ですが、細部にまでそれがしっかりと行き渡っていて

あぁ、なるほど

そんな風に感じさせてくれます。

吸血鬼や人狼の特性だとか習性、それを取り巻く人々の思惑とか。

従来の吸血鬼像とはまるで違う印象、ですかね。

もちろんそこまで、吸血鬼に傾倒して関連書籍を読んでいるわけではありませんが。





にしてもアレクセイ女史、この時代の女性としては行動力ありすぎでしょう。

吸血鬼を殺すときに使ったのは、常に持ち歩いているパラソルだし

周囲が危険だというのにも耳を貸さずに吸血鬼の女王のすみかへと単独で向かうし

科学誌を愛読書にしているし

敵の手にまんまと捕まってしまうし

本当にかっこいいと思います。

人狼の集団のボスをアルファというらしいのですが

「あなたはたいへんアルファらしい方だ」と人狼の副ボスに言わせるほど。

今の時代なら、確実にバリキャリなお姉さんでしょうね。





ただまぁ、本書独特の世界観を把握しないと、読むのは少し大変かもです。

吸血鬼と人狼は仲が悪くて、幽霊は宮殿付近にもたくさんいて

BURという組織はどんなことをしていて、などなど。

でも慣れると、スゴく面白いです。

終いには、まさかのあんなお方がでてきたりしますし?





好き嫌いは出てしまいそうなお話ですが

私は個人的に、次の巻の
『アレクシア女史、飛行船で人狼城を訪う』の方が好きかな。

たぶん本作で設定がしっかりと頭に入っていたので、読みやすかったのかも。

そしてまぁ、私は多分

ライオール教授が好きなんだと思います。

マコン卿よりも。

でも一番好きなのは、もちろんアレクセイ女史ですが。

強く賢い女性はやっぱり素敵ですね。

時代がそれを喜んでいないのを知って、それに反発している姿は本当に素敵。

お涼様(薬師寺涼子)とどこか重なるからなのかな。





噂では、これも漫画化されるとか。

まぁ…何でもかんでも、売れた小説漫画化するっていうのもどうかとは思いますが

漫画化したことで読者が増えるなら、それもいいのかな。

でも、あまり原作の雰囲気を壊さないで欲しいです。





さぁて

明日は何を、読もうかな。





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